お話を構築するもの
小説書きが行き詰まる時は、私もある。今までに幾度もあったし、1本の小説で数度行き詰まることもこともあった。
書けないときは、少し日時を空けてみるとか、全く違う展開を考えてみるとか、小説を読んで自分の文章表現力の幅や語彙を蓄えてみるとか、そういった打開策もある。
小説は文で読み手の脳内に情景を思い浮かばせなければいけないので、絵や漫画とは違う難しさがある。
でも、単純に考えると漫画と同じように、見えるものを文章化するだけ。
その場所には何があるのか、主人公はどういう行動をしているのか、何を考えているのか。視覚・聴覚・味覚・臭覚・触覚の五感のどれかを入れると、リアル感がでるし感情移入もしやすくなる。
ストレートな文章表現は分かりやすくていいけど、比喩的表現も所々に入れるといい感じ。
「眩しい光」を「目を刺すような光」に置き換えると、眩しい光であっても目が痛いくらいの強い光であること表現できる。でもこういった比喩表現は1本の話の中で何度も使うと白けるので、同じ比喩は長文でせいぜい2回までがいいんじゃないかと思う。
そのお話が誰を中心とした話とするのかを明確にしておくのも大事。
主人公目線なら最初から最後までそれを通すか、途中で別キャラクター目線に変えたいならその切り替えをしっかりさせる。行間空けてもいいし、該当のキャラの行動やセリフのあとに心の声を入れるという方法もある。今時はどんな表現もアリだから明快に記号で区切るという方法も。
そのお話がキャラクターの独白(一人称での文章:俺は目が覚めて、ベッドから飛び降りた…といったような文章の話)であれば、その人物が誰なのか分かる文も入れなければいけない。
例「ねえ、〇〇」と、こんな場所で聞くはずの無い声に呼ばれて、俺は振り返った。…とか。独白話は、そのキャラで文章一貫しないと読み手が混乱するので難しい。
あえて独白キャラの名前を出さないままにしておくのも表現のひとつだけど、それで誰の独白であるのかを読み手に分からせるためには周りの環境や別キャラクターからのやり取りに頼るしかないので、とても技術が必要になる。それに、独白キャラが見えないものや知らないものは文に起こせない。例えば、他キャラが心の中で何を思っているのか、独白キャラの想像の範囲までとなる。心が読めるとか透視できるような異能者だったら可能だけども。(難易度高いので、うずしおは独白小説は特に苦手)
・・・小説も、絵や漫画みたいに、デザインして書くものなんだと思う。
表現であり、芸術であり、デザインでもある。奥深い。知れば楽しいし、自分の感性を磨ける。
でもやっぱり、一番大事なのが、気楽に楽しんで作品を作ること。
趣味は自分が楽しむためにあるんだよ!