エリザライア

天使候補生のエリザライアは魔女の血を引いていた。そのことを隠しながら天使の学校に通っていた。エリザライアは神・レウスに従い、人間たちをよりよく生活できるように導く勤めを学びながらも、それをあまり良く思っていなかった。
あくる日、とある事情で地上に降り立ったエリザライアはひとりの人間と出会う。青年・クーフェンと過ごす日々の中で、エリザライアは人間の醜さ、美しさ、強さ、儚さを知る。
「人間って、ずるいのね。普段はレウス様に感謝なんかしてないくせに、困ったときだけレウス様に祈るなんて」
「はは、エリィは厳しいなぁ。僕たち人間は、きっと神様に甘えているんだよ。困難を目の前にした時に…親を頼ってしまうような」
エリザライアは皮肉を言ったのに、クーフェンから返ってきた言葉は素直そのものだった。
「ふん、くだらない。生きる意味に思い悩んで、存在意義を求めるのは人間だけよ?」
「僕たち人間は、自我が強いんだ。だから他人との違いを気にしながらも自分に意味を持たせようとする。自分らしさの確立を求めながらも、孤立を恐れる…」
迷い、葛藤、矛盾。神はどうして不完全な人間を創ったのか。
湧きあがった疑問の答えは、見つからないまま年月は過ぎる。
 
人間の命は、あまりに短いものだった。
「……そう…。でもね、私…少しだけ、人間が好きになれたかもしれない…」
消えゆく命を前に、エリザライアは言葉を贈った。


サージェイド(感情)

創作 サージェイド気持ちが落ち込んで、心が塞ぎ込んで、感情が混ざりあって混沌とする。
そんな内側を絵に描くことで外へ出す。
・・・現実逃避とも言う。
 
 
 



サージェイド(独言)

創作 サージェイドオレはそもそも、難しいことを考えるようにはできていないから。
ただ単純に願いを叶えるだけの仕組みであり純粋な概念だから、思考を持つ必要がない。
それでも考え思うことを付加させたのは……この話、する意味ある?
 
真に完璧な存在は複数いる必要がないんだよ。分かりやすく言えば…オレの存在がひとつしかないってこと。単体で完全に完成されているから、ひとつあればいいしね。
その点を言えば、“神”という存在が真の完璧に比較的近いんじゃないかな。でも“神”がそれ以上に成れないのは、他を望むからだよね。何かを望むということは、その時点で不完全だから。
…あぁ、今のオレは不完全だよ。大切なものを分断されたからね。だから星も神も物質も時間も…あらゆるものを喰ってひとつに戻るつもり。元に戻るくらい、いいだろう?
 
願いを叶える仕組みは、願いを請う存在が居なければ成立しないってこと。
概念は思慮する存在がなければ存在し得ないこと。
与太話だと思う? 真実か虚偽かを決めるのは君次第だよ。矛盾も法則も表裏もオレの一部だからね。
 
…そうだね、オレも何かに望まれて存在してるんだよ。
欲望が生み出した都合のいい存在なんて言われることもあるけど、本当のことだから…。


依り代にされた少女

人類は“どんな願いも叶える仕組み”を手に入れようとした。
誰が名付けたのかもわからないその仕組みはサージェイドと呼ばれる概念。
その概念の依り代に選ばれたのは少女のサーシャ。
髪の色は青に変わり、願いを叶える概念の力が具現化して尾が顕現した。 サーシャは神として崇められ奉られ敬われ、悠久の時を生きながら無数の願いを叶え続けていた。
けれど、永い時の中でサーシャの精神は疲弊し、魂は摩耗していた。
 
サーシャは自分のすり減った魂と引き換えに、自分自身の願いを叶えた。
願いを叶えるものが願いを請うという矛盾は、世界の法則に亀裂を入れた。
 
 


雨宿り

「竜使いと白いドラゴン」の主人公ライエストとサージェイド。
旅の途中で雨宿り。


サキュバス

創作 サキュバス夜になると遊びに来てくれるサキュバス。
枕は表も裏もYES。