依り代にされた少女
人類は“どんな願いも叶える仕組み”を手に入れようとした。
誰が名付けたのかもわからないその仕組みはサージェイドと呼ばれる概念。
その概念の依り代に選ばれたのは少女のサーシャ。
髪の色は青に変わり、願いを叶える概念の力が具現化して尾が顕現した。 サーシャは神として崇められ奉られ敬われ、悠久の時を生きながら無数の願いを叶え続けていた。
けれど、永い時の中でサーシャの精神は疲弊し、魂は摩耗していた。
サーシャは自分のすり減った魂と引き換えに、自分自身の願いを叶えた。
願いを叶えるものが願いを請うという矛盾は、世界の法則に亀裂を入れた。