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MS#2擬人化

あろう事か、MENDESとステキな部下たちが擬人化されて遊ばれてます。
擬人化嫌いな方や、イメージを壊されたくない方は見ない方がオススメです。責任は持ちません。


●概要
MENDESをリーダーとし、5体で編成された軍寺のボス。
メンデスだけは、人工物として創られ、生まれながらにラスボスとしての運命を背負い、厳しい教育を受けて育った。
他の4体は、メンデスの盾として改造された存在で、一緒に生活し、まだ見ぬメンデスを護るようにと育てられた。
基本的に、みんなメンデスが大好き。


ただ、ひと言、妄想全開です。

☆MS#2関係の設定メモ(仮段階かもしれない)
 
●生体兵器
生きてる兵器の事。中には普通の細胞の他に金属系の細胞(ナノマシンっぽい)も持ち、その細胞を装甲や武器として使う者もいる。
この兵器は、人間に従順になるように操作されている事が多い。
神通力や魔力などの超能力を使う神魔系生体兵器、完全に人工的に造られた人造系生体兵器、動植物を特殊改造した改造系生体兵器の種類があり、メンデスの直属の部下である動物改造種は、改造系生体兵器に分類される。
メンデスは、神魔系と人造系を組み合わせた生体兵器だが、公文書上では人造系生体兵器とされている。裏では、ウサギの改造系生体兵器も含まれているのではないかと囁かれているが、真相は不明。
 
●装甲形成線
メンデスと、イカロスと、ドゥーイの身体に画かれてる線のコト。
金属系の細胞を増殖・形成する為の目印のようなもので、戦闘時には装甲や武器になる。
この部分を損傷すると、上手く形成できなくなるらしいので、かなり重要。
爪や角に似たようなモノで、時間はかかるが再生可能。
レオンと鉄針には無い。
 
●ワンモアナンバーズ
すごーく強い生体兵器に与えられる称号。
特に変わり者が多く、本部でも完全に制御でできない者たちばかり。
現段階で本部に残って従事しているのは冥のみで、本部からの信頼も厚い。
冥は、ワンモアの中でも特殊な位置にあり、一声かければ全ワンモアが集合する程だとか。
ワンモアには必ず直属の部下が1人以上配備されている。部下たちからは総帥だとか大将だとかボスだとか、さまざまに呼ばれている事が多く、ワンモアと呼ぶのは主に本部の者。
特に優秀なワンモアは特殊ワンモアと呼ばれ、直属の部下を4人持ち、最高位の権限(本部の上層幹部と同じ扱い)を与えられている。
現在、特殊ワンモアの称号を持っているのは、嘆きの樹とメンデスのみ。
 
●本部
573。
メンデスや冥などのワンモアが所属する場所であり、命令や情報はここから来る。
命令は絶対であり、逆らえば存在そのものすらも消されてしまうんだとか。
傘下に『TOOL』という生体兵器開発施設などもある。
 
●冥
神魔系生体兵器。黒の疾風の異名を持つ。
非常に強力な能力を持っているワンモアであり、不老不死で美しい容姿をしているため、女神として崇める者もいるらしい。
人当たりが良く、優しくも厳しい性格から、他のワンモアや部下からも慕われている。
本部からメンデスの教育係になるよう命令を受け、メンデスがワンモアになった後は目付役になった。
メンデスが唯一逆らえない相手。
 
●ハデス
冥の血と細胞から造られた、神魔系生体兵器。冥王の名を持つ、パラノイアシリーズのひとり。
生まれたときから、強力な力を備えるも、最終的にはメンデスに及ばなかった。
元々、冥に良く似た美少年であったが、メンデスにどうしても勝ちたいという強い念から、銀髪を剃り、耳を切り落とし、全身に魔力を高める刺青を入れた。
メンデスに、姉である冥と、特殊ワンモアの座を奪われたとして、怨んでいる。
 
●うさぎ
メンデスの前では禁句。
また、これを連想させるような言葉も危険。

5人について

メンデス(MENDES)
種族:ヒューマノイド(人工物)
身長:ちょっと高め
性格:完璧主義・冷酷(部下と仲良くなるにつれて、丸くなってきた)
好き:甘い物
特徴:???
一人称:私
 
☆ワンモアシリーズのひとり。
戦闘能力はかなり高めだが、戦闘の殆どは4人の部下任せ。有事の時に真っ先に戦場へ向かって、敵を殲滅してくる。敵からは未確認の魔神機と呼ばれている。
自分はワンモアに選ばれた者だと思っていて、実は造られた存在である事は知らない。同時に造られたハデスがいるが、お互いに存在を知らない。
 
イカロスが、すぐ何処かへ飛び去ってしまうので、話した事があまりない。
水産物が、いつも変な掛け声を発しているのをウザイと思っている。
レオンの体型が逞しいのがちょっと許せない。羨ましくても羨ましいとは言わない。
鉄針(テッシ)が精神的に受け付けられないので近づけない。
そんな個性あふれるステキな仲間と供に生活している内に、段々と性格が丸くなってきた。それが良い事なのか悪い事なのか、判別できないでいる。
世間知らずな所も少々あり、その事に触れられると、紅潮する顔を隠す為に飛行形態に変形する。酷い時にはそのまま彼方へ飛び去る。
飛行形態に変形する瞬間は無防備で、その時につつかれると躯がおかしくなる。
童顔だとかウサギだとか言われて傷ついた。
定期的に本部のラボに戻って、身体のメンテナンスをしてもらっている。その帰りは、身体はスッキリしているのに、頭痛がしているので機嫌が悪い。
何となく、周りと自分が違う存在である事に気づいているものの、よく解らないし何だか不安なので、言い出せないでいる。
ウサギだと思われたくないので、ニンジン嫌いのふりをしている。
義理の姉である冥は、唯一逆らえない相手。


イカロス(ICARUS)
元種族:イーグル(改造もの)
身長:ちょっと低め
性格:冷静(時々、意味不明)
好き:急降下
特徴:夜目が利かない
一人称:わたし
 
☆戦場で、蒼い魔鳥と呼ばれている、天空の覇者。
その蒼い影を見た次の瞬間には、自分の首の無い身体を目撃する事になる…という、瞬殺っぷりらしい。
戦闘機の騒音が大嫌いで、発見するとすぐに撃墜する。
10km先の文庫本も読めるくらい視力が良いが、夜目が効かないので夜間戦闘は出られない。
 
「堕ちればいいのに…」
が、口ぐせで場を凍らせる感じ。
高速で空を飛び回り、光粒子状の翼で相手を切り裂く戦闘をメインとしている。主翼以外は単独ごとに飛ばして遠隔操作が可能。
朱雀と仲が悪い。ライバル意識全開で、飛行競争する。
会う前からメンデスの話を聞いて好意を寄せていたが、出逢ってからは本気で一目惚れ。普段は、ぼや~っとしているような雰囲気で、温和でおしとやか。しかし、メンデスの事になると、激情を見せる事もある。
遥か上空から落下するのが趣味。
鉄針と仲が良く、あまり会話はしないものの、意思の疎通が出来る。
腑抜けなドゥーイでなく、クラーケンのドゥーイの強さの方を評価している。
気遣いが良く、世話を焼いてくれるレオンは良き相談相手。
時々、小悪魔に豹変するらしい。


ドゥーイ(Do It!! Do It!!)
元種族:クラーケン(改造もの)
身長:とても高い
性格:素直(単純馬鹿とも言う)
好き:海水浴
特徴:浴びた水質によって性格が変わる
(例:水道水→愚鈍/蒸留水→純朴/海水→凶暴)
一人称:ドゥーイ/俺
 
☆戦場で、海の悪魔と呼ばれている、大海の魔物。
水中ではもの凄い速さで、あらゆる攻撃を躱し、艦艇を沈める。
海中の戦闘時、クラーケンの姿に戻って人を食べているという噂もあるが、確証は無い。
幼い頃、セイレーンに歌を教わったらしい。
 
イカロスには「イカ野郎」、メンデスには「水産物」、鉄針(テッシ)には「スルメちゃん」の愛称で罵られている。
見かけに反して言動が異常で、変な掛け声を発したり踊り始めたりするので、マトモな会話は殆どできない。
時々「キュッ、キュリッ、キュルキュラ~」と甲高い変な鳴き声も出すが、実は誰もがうっとりするくらいの、かなりの美声の歌声の持ち主だという噂もある。
水中戦が得意で高速で泳ぎ回れる。攻撃重視型の速攻戦タイプで、持久力に欠け防御も脆い。肺呼吸よりもエラ呼吸の方が楽らしい。
水を浴びている時は言動がマトモで会話も可能なので、大事な話をする時は水桶に入れられる。
カーディナルゲートの門番である玄武とは海水浴仲間で、よく泳ぎに出かけて親睦を深めている。
メンデスがすぐ怖い顔をして怒るのでカルシウム不足なのかと思い、ホタテの殻を渡したら「こんなものが食えるか」と、余計に怒られた。
鉄針に弄られるのが日常茶飯事。
時々、墨を吐く。
地上に居る時や肌が乾燥している時は、ほぼ酸欠状態に近いので、頭が悪い。
ヘモシアニンとヘモグロビンの両方を持っているので、紫色の血をしている。


レオン(Four Pieces Of Heaven)
元種族:ライオン(改造もの)
身長:高い
性格:律儀(一番マトモな人)
好き:肉
特徴:喉を撫でるとゴロゴロいう
一人称:自分
 
☆戦場で、破壊の猛獣と呼ばれている、百獣の王。
主に肉弾戦を好み、複数相手でも問題なく、野生の勘で相手の動きを読む。
礼儀を重んじており、戦闘の前後には必ず相手に一礼をする。
 
律儀で礼儀正しい格闘家。実力も高く、メンデスからの信頼も厚い。四人の中で一番の常識人。
瞑想や修行で己を磨く事が趣味だが、ドゥーイがいつも煩いので、なかなか集中できない。しかし、これも試練の一環だと思っている。
肉弾戦が得意で、多彩な格闘技を習得。大柄だが、俊敏に動ける。サイコキネシスも使えるが、「男は己の肉体で戦うべき」と能力を使わずにいる。
まだ若い(見た目が)メンデスが本当に自分の上に立つ者として相応しいのか確かめる為、戦いを挑んだ事がある。…本気でボコボコにされた。メンデスを「若」と呼ぶようになる。
女の子のイカロスが戦う事を心配している。「・・・私は戦う為に生まれたから…」の返答に、増々心配になってしまったが、彼女が大空を光速で舞い踊るように戦っている姿を見て、少し安心した。
カーディナルゲートの門番である、白虎と一騎打ちをして以来、友情が芽生える。
マタタビを食べると、ふにゃ~っとなる。
後になって、メンデスが自分とあまり変わらない年齢だと知って、人生最大のダメージを受けた。
時々、草食動物などを捕らえてくる。


鉄針【テッシ】 本名:スティニード(Steel Needle)
元種族:スコーピオン(改造もの)
身長:低い
性格:ツンデス(対メンデスに事務的ツン態度/笑)
好き:毒薬収集
特徴:血が猛毒
一人称:僕
 
☆戦場で、死神蟲と呼ばれている、闇の密殺者。
体内に流れる血液も他者からすれば猛毒で、刺し違えてでも相手を殺せという命令を受けて育てられた。
血の毒効力は、その時の状態や環境、相手の体調などにより、様々に変化するので特効薬が無い。血に触れただけでも効果がある。
仲間の近くでは怪我をしないように心がけているらしい。
 
四人の中で最年少。
料理が得意で、一流のプロ並み。みんなの炊事担当。しかし、掃除は大嫌い。
あらゆる種類の毒を体内に所持し、それらを鋏や角、尾で相手に注入する戦闘スタイル。小柄な身体とかなりの敏速さで相手の死角に回り込む。毒を塗った鉄の針や短剣で攻撃する事も。相手が毒に苦しむ様を見るのが好き。
新しい毒や薬の開発が趣味。自分に毒を入れても全く効かないので、ドゥーイやレオンを勝手に実験台に使う(かなり濃度を薄めて使用)
自分たちの存在理由がメンデスに依存しているので、メンデスに対して、あまり好感を持っていないような態度。人をからかったり、小馬鹿にする性格だが、実は誰よりも仲間思い。
イカロスは親友、レオンは兄、ドゥーイはペットという感覚で接している。
戦闘ではイカロスと相性が良く、この二人を組ませると、かなり戦績を上げるらしい。お互いにそれを解っていて、戦場に出る時は行動を共にする事が多い。
海水に浸かって凶暴なクラーケンに戻った時のドゥーイは大嫌い。
本当の性別をレオンに知られてしまい、それ以来レオンには何でも話せる仲。
本名はスティニード。

お話

☆メンデスに会う前の4人の、ちょっとしたお話

2008/04/19

「・・・メンデス様って…どんな人かな…」
呟くような小さな声で、イカロスが言った。ふわりと宙を舞い、音も無く地上につま先を着ける。
荒れ果てた地上には、見覚えた仲間たちの姿と、もう魂の入っていない入れ物ばかりが覆っていた。
「さぁね。まだ会った事も無い奴が僕たちの上司だなんて、馬鹿みたいな話だよ。本当にそんな奴を護らなきゃいけないだなんてさ」
赤い髪を揺らし、明らかに呆れた様子で、鉄針が言葉を吐く。先ほどの戦闘で気が立っているのか、蠍の尻尾を高く挙げたまま揺らした。
その鉄針の肩を軽く叩くレオン。
「邪険にするでない。とても大事な御方なのだろうからな」
そう言いながら、返り血の付いた身体を払う。しかし、乾いた血は大して拭えそうも無く、湯が浴びたいと独り言を言った。
イカロスは、すぐ近くの、僅かに赤く濁った湖の前で身を屈めた。
「・・・イカ野郎、まだ…?」
その声に、慌てて水面からひょこりと、ドゥーイが顔を出す。
「水の中から逃げようとしたの、全部追撃してきた」
「・・・遅い…」
「お腹空いたから、魚獲ってた」
特に悪びれる訳でもなく、仲間皆に魚を投げて渡す。
「ちょっとぉ、スルメちゃん。そんな湖の魚なんか食べたら、お腹壊すよ!」
鉄針が、魚を投げて返す。その様子にイカロスとレオンも納得して、魚を湖に帰す事にした。帰した所で、この湖で魚が生きていける環境かどうかまでは、解らないけれど。
「腹も空いた事だ。早く帰ろう。飯は基地にもあるから、ここで獲らなくてもいいだろう」
レオンがドゥーイを湖から引っ張り上げて言う。
ドゥーイも同感して、頷いた。
「メンデスさま、男の人」
「誰から聞いたんだ?」
ドゥーイの話に、レオンは目を丸めた。イカロスも興味があるらしく、真剣な眼差しを送る。
「昨日、隣の部屋で話し声した。今日の戦闘、内緒で様子見に来るって」
「スルメちゃん、そういう大事な事は先に言ってよね! 僕、手抜きして戦っちゃったよ」
鉄針が、ドゥーイの頭を小突く。
「どぅ~…」
「いつも本気で戦わない鉄針が、悪いぞ」
レオンは鉄針とドゥーイの間に入る。
「今日の戦闘を見に来て下さったと言う事は、もうすぐ御会いできるかもな」
そっとイカロスの方を見て、レオンは笑顔を浮かべた。
「・・・うん…」
イカロスは目を細めて微笑んだ。


☆4人に会う前のメンデスの、ちょっとしたお話
…メンデスの義理の姉である冥が出てます(笑)

2008/04/21

 何十枚も束ねられた書類に目を通すのも飽きてきた頃、部屋に見慣れた者が入ってきた。
「冥姉さん」
「あなたも戦闘に出るようになるのね。早いものだわ」
義理の姉は、しみじみとした様子でこちらを見る。
「メンデス、ひとつだけ言っておくわ。覚えてらっしゃい」
「何?」
「仲間を失った勝利は、虚しい事である…と」
「…」
「ラボでは、部下を犠牲にしてまで生き残る事を優先するべきと言っているけれど…。それでは駄目なのよ」
「何がいけないんだ? 冥姉さんは生き残れただろう」
「私がスクスカを失った時の事、覚えているでしょう? …スクスカは優秀だったわ。最期まで、私に尽くしてくれた。私にとっては、大事な部下だった…」
義姉の部下の事は少し知っている。禍々しい化け物のような姿ではあったが、能力も高く、義姉にとても従順だった。
「冥姉さんが、何故そんなにスクスカを大事に思うのか、解らないな。部下を失ったら、新しい部下が配属される。・・・部下なんて、捨て駒みたいなものだろう? そんなに執着するなんて…」
「そうね。あなたには、まだ解らないでしょうね。でも、失ってからでは遅いのよ。これは執着ではないわ。『信頼』というものを知りなさい」
義姉は、そっと頭を撫でてきた。大人しく撫でられるのも気が引けて、すぐ首を振る。
「私、もう子供扱いされる歳では…」
「ふふ。私は歳をとれない身体だけれど、何年経っても貴方の義姉よ。素直に撫でさせて」
義姉は少し意地悪く笑った。
「部下と共に居られる時間を、大事にしなさい。あなたも、きっと解るはずだから。…そして、生きなさい。あなたは部下と一緒に生き残るの。約束しなさい。解った? 約束を破ったら、許さないわよ」
「はい…」
義姉の言う事の真意は理解出来なかったが、痛いくらい真剣な様子が、印象に残った。
「そうそう、メンデス。あなた、身体のメンテナンスにをしに、時々ここに戻ってくるんでしょう? その時には、あなたの部下の話を聞かせてちょうだい。楽しみにしているわ」
そう笑顔を残して、義姉は部屋を出て行った。
ふいに、義姉が部下を失った時の事を思い出す。
誰にも負けないくらい強くて気丈な義姉が、血なまぐさい凄惨な姿の部下を抱いて、周りの目も気にせずに泣いていた。義姉自身だって酷く傷ついた身体であったのに、そんな事すら忘れたかのように。
あんな義姉を見たのは、生まれて初めてだった。
あの時、どこか他人事のように居合わせてただけの自分が、いつか義姉と同じ思いになるとは思えなかった。
あの日以来、義姉は新しい部下の配属を断ってきた。
私の部下はスクスカだけだから、と。
理解出来ない事を無理に理解しようとするのは、無駄な事だと思う。
自分の部下と、まだ会った事は無い。書類に書かれたデータか、話に聞くだけで、顔も知らない。
時が経てば、少しは義姉の言った事が解るだろうか。
 
数日後、部下の戦闘を見に行くように、指令が出た。
理由など無いはずなのに、自分は微かに心待ちにしていたのかもしれない。
珍しく心が逸るのを感じた。


メンデス様とステキな仲間たち1

2008/04/30

初日から内心ヒヤヒヤ。
メンデスはラスボスとして生まれたので、態度デカいですが、実はとっても繊細でナイーブなのです。そして、自分にマイナスな事があると、口が悪くなります。
鉄針は、ちょっと自己中で悪戯好きで、もの凄くマイペースなだけです(笑)


ちょっと暗いお話

2008/05/13

ありきたりな話っぽいけど、何か、こんなイメージなのですが。
ラスボスは複雑な気分なのです。多分。
我が家のメンデスは、本部の命令で戦闘してます。
しかも、攻撃力がアレなので殆ど単独戦闘。仲間が居ると、かえって邪魔になるという。
 
 
もう兎にしか見えない。


メンデス様とステキな仲間たち2

2008/06/01

レオンはとても真面目で真剣な人なので、本気でメンデスに付いて良いのか、メンデスの能力で判断しようとしている模様。
男は拳で語るべし(笑)
レオンは、想像していたよりもメンデスが若くて小柄だった事に、冷静に仰天(笑)
 
うずしおは、漫画描くのがかなり遅い上に、あまり上手くないという最悪な状態でございます。
もっと速い描写力が欲しいわ~。マジで。
 
 
やっぱり兎にしか見えない。


☆蠍の独り言

2008/07/31

名前はメンデスちゃんだって。
大規模戦闘を、独りで制圧。しかも、たった十数分で。ワンモアナンバーズのトップクラスの冥様が、手塩にかけて育てたって・・・そんな本部の裏話も風の便りに聞いていた。
でも、冥様の弟って、ハデスって名前だったような気がする。聞き違いかな。…ま、いっか。
よっぽど強い人だから、どんな厳つい大男が来るのかと思っていたら…。
来たのは、レオンちゃんよりも小さい優男、この人、ほんとに強いの?ってくらい。
でも、まぁ…偉そうな態度は人一倍だね。上に立つ人の威厳…と言うよりは、征圧するための威嚇って雰囲気。ツンケンだよ。
スルメちゃんは何も考えてないから一方的にメンデスちゃんに懐いたみたいだけど、レオンちゃんは納得できなかったみたいで、戦いを申し込んでた。やっぱりレオンちゃんが負けたけど。見た目と違って強いみたい。
イカロスちゃんは、じっとメンデスちゃん見てるだけだし…。
皆で楽しく話してると、メンデスちゃんは不思議そうな顔をして寂寞な態度で見てくる。そんな顔しないで、話に入ってくればいいのに。いまいち、はっきりしない人だね。
肉料理は好きじゃないみたいで、あまり食べなかったな。もしかして魚派?
次は魚料理作ってみよっと。
・・・でも、メンデスちゃんが来た所為で、これからもっと難しい戦闘に出るように本部から司令が来るんだろうな…。
もし…大事な仲間が死んだら、大泣きして、きっとメンデスちゃんの所為にしちゃうかも。メンデスちゃんって、笑った顔してくれないから、きっと冷たい人かもしれない…。部下の気持ちなんて気にしてなさそう。
メンデスちゃんって、何考えてるのかなぁ…。


☆冥がメンデスと初めて対話した日

2008/08/18

大勢の人たちが行き交う広い待合室。時々、呼び出しのアナウンスが流れていた。
その待合室の端の長椅子に腰をかけて、冥は目を閉じて静かに待っていた。
今日は、ワンモアナンバーズの候補の子供と初めて会う日。ワンモアナンバーズは、大群を率いる総司令官に就く場合もあり、自分自身が最終兵器でもある。
そんな重役を育てる難役に、冥は選ばれた。
冥自身も、HS軍のワンモアであり、その実力は他の追従を許さない程。今は任期を終えているものの、本部の命令により時には戦闘に出ていた。
小さいながらも強力な気配を感じて、冥は目を開ける。
その目線の先には、大人に手を繋がれてこちらに歩いてくる、幼い子供の姿があった。
幼い子供の担当者は、長椅子に子供を座らせると、冥の前で一礼した。
冥は立ち上がって、軽く挨拶をする。
「健康そうな子ね。強い力を感じるわ」
「はい、間違いなくTR軍のワンモアになれる可能性のある兵器です。現在、コードレベル6と認定されました」
「こんなに幼い頃から、コードレベル6? それは凄いわ。絶対に私と同じに12になれるわね」
「いえ、実は…冥様の弟と同期に作られています」
「え? ハデスと?」
冥は、信じられなくて、幼い子供の方へ目を向けた。
自分の弟とは年齢が違いすぎる。
「幼児期に不備による不具合がありまして…成長が一時停止していました。今は成長は再開しています」
「そう、見た目程子供ではないという事ね」
「申し上げにくいのですが…冥様の弟の方が、現段階では実力は上です。コードレベル7と認定されています」
「まぁ、驚いたわ。・・・でも、選ばれなかったのね…」
「ええ、残念ながら…。今後の成長を考えると・・・。一応、別部隊のワンモアにするという検討もされています」
「実力こそ全てだもの、仕方ないわ。この子は私に任せなさい。後でこの子の資料を送って。戦闘も、部下への指揮の執り方も、しっかり叩き込んであげるわ」
「宜しくお願いします」
担当者が一礼をして待合室を去った後、まだ幼い兵器の方に振り返ると、「いつまで待たせる気だ?」と言わんばかりの不満げな顔が見える。
冥は足早に近寄り、脚をぶらぶらと揺らしながら座っている、その小さい身体に目線の高さを合わせるように、身を屈ませた。
「待たせてごめんなさいね。私は冥よ。今日から、あなたの世話をするわ、よろしくね」
そう言って微笑んでみるが、気を張った横目でじっと見詰め返されただけだった。
気を許さないのは警戒心が強い証拠。警戒心の強い兵器は、良い兵器に育つ事も知っている。
しかし、敵でもない相手に警戒心があるのは困る。
「あなたの名前、教えてくれる?」
「…メンデス」
その名前が、自分の弟の名前に似ていて、少しだけ心が痛んだ。
「メンデスね」
にっこりと笑顔で名前を呼ぶと、少しはこちらに興味を持ってくれたらしく、正面を向いて頷いた。
興味といえば…担当者が連れて来た時から、冥は気になっていた事があった。
このメンデスという子、白銀色の緩いウェーブヘアなのだが、その頭から生えている兎の耳に良く似たそれが何なのか気になって仕方が無かった。
そっと頭を撫でながら、軽くそれに触れてみる。
「あなた、これは…?」
「さわるな」
もの凄く嫌そうな顔をして、手を払われた。
「そう、それは触られたくないのね。ごめんね、もう触らないから」
これ以上追求しても嫌われるだけだと判断した冥は、手を引っ込める。
もう少し、仲良くなったら教えてくれるかもしれない。
大人しく手を引いた冥に、メンデスは可愛気の無い表情で口を開いた。
「名前はメンデスなのに、時々『ヘイキ』と呼ばれる。『ヘイキ』って、何だ? お前、知ってるか?」
「それは・・・。あなた以外の子供も沢山いるわ。時々呼び間違えられているだけよ。気にしないで」
とっさに思いついた返事をしてしまった。
この子は、自分がどういう存在なのか、教育はされていなかったのだろう。
兵器として育てるか、人として育てるか、それはとても重要な選択だった。
人として育てて、戦う事に疑問を抱いてしまえば、兵器としては使い物にならなくなる。
兵器として育てて、戦う事しか知らずに任期を終えたら、人として生きてはいけなくなる。
どちらが良い選択であるか、それを見極めて、いずれは決めなければいけない。
それが、この子の人生を大きく左右する。
どちらにせよ、コードレベル12にまで実力が伸びなければ、廃棄処分されるだけ。この一番最悪の事態にだけはさせられない。
何よりも、まず第一に・・・。
随分と自由奔放に育ってきたようだから、まず基本的な教育の一歩。
「先に言うのを忘れていたわ。私の事は『お前』ではなく、『冥姉さん』と呼びなさい」
一変して、冥は笑顔は見せずに、少し低く大きな声で、命令するように言った。
メンデスはムッとした表情を見せたが、ここでそれを通させてはいけない。
「それと、目上の人には敬語を使いなさい。いいわね?」
さっきよりも、厳しい目付きで強く言うと、メンデスは目を丸くした。
「え…あ…」
「返事をしなさい」
「う・・・はい…。…めいね…さん」
「良い子ね。教育しがいがあるわ」
冥は満足して、メンデスの小さい手を引いて長椅子から立たせる。
メンデスの頭にある兎の耳に良く似たそれが、力無く横に垂れているのが気になりつつ、冥は幼い最終兵器を自分の部屋へ連れ帰った。
 
—————
★後に、「冥姉さんの教育は信じられないくらい厳しかった」と、メンデスは語るという・・・(笑)


☆冥姉さんと、義弟メンデスと、実弟ハデス

2009/03/31

黒の疾風と異名を持つ冥は、非常に強力なワンモアだった。
本部は冥をも超える存在を得る為に、冥の力を持つ者を生み出す事にした。
純粋なる系統として、冥の神通力の源となる血と細胞から、ハデスを。
冥の神通力を高圧エネルギー粒子に変換し、それを注入した細胞から、メンデスを。
 
将来の、強力な特殊ワンモア候補として同時に生まれた2人は、会う事無く、互いの存在も解らないよう、育てられる事となった。
ワンモアに選ばれるのは、どちらか1人だけだったから。
 
どちらがワンモアに選ばれるのか、本部の者も冥自身も予測がつかなかった。
生まれたばかりの時点で、ハデスは恐ろしいほどの力を備えていた。
物心つく前から、その能力は目覚ましい成長を始めた。
一方、メンデスの方は、神通力を使える状態ではなかった。
冥の力を持っているはずではあったが、本能的に神通力を使う事を拒否していた。半ば試験的に創られた、生体兵器としての身体が災いしたらしかった。
冥の力と細胞との相性が悪かったのだと、メンデス製作側のチームは判断した。
それでも、十分な強さを備えた生体兵器のはずであった。
 
もし、生体兵器が、神通力も使えるようになれたら。
それは、今までのワンモアを容易く超えるのではないだろうか、と。
そして、本部上層部は冥をメンデスの教育係とし、いずれは神通力も扱えるよう訓練するようにと命じた。
科学的に創られた存在に、正反対とも言える神通力を扱わせる事が、どんなに心身ともに負担となるか…この時には、誰にも解らなかった。
 
時が経ち、ハデスは、他のワンモアに劣らないほどの実力を付けた。
メンデスは、一時期、成長が止まるという不具合が出たが、ハデスと並ぶ力を持った。
けれど、どちらも冥の能力を超えるにまでは至らなかった。
どちらを時期ワンモアにするか、上層部は協議に明け暮れていた。
 
とある日、ハデスは、いつも留守がちな実姉の冥に、日々の寂しさから、言いつけを破って後を追った。
冥の行った先には、メンデスが居た。
冥は、メンデスをとても可愛がっているらしかった。
それから、メンデスが時期ワンモアであると、ハデスはどこからか噂で聞いた。
姉とワンモアの地位を、メンデスに奪われたのだと知った途端、ハデスはメンデスに対して、憎悪が生まれた…。
 
やがてメンデスは、特殊ワンモアに任命され、部下を持ち、時に全軍の指揮を執る事も任されるようになった。
自分は、他の者よりも優れた人間だと思っていた。
しかし、見ず知らずのハデスからの恨みに満ちた襲来を受け、自分の事を聞かされた。
他の人間と違うのは当たり前。創られた存在なのだから。
その事を知ったメンデスは、半狂乱状態になった。
それは同時に、冥の黒の神通力に目覚めの切っ掛けに。
黒の神通力を持ったメンデスは、冥の能力を遥かに超えていた。
その力は、側近の部下にまで、影響を与えた。
 
しかし…、本人の意思を超えた力は、無差別に近い破壊しかできなかった。
危険を感じた本部上層部は、メンデスを解任し、『TOOL』の施設に眠らせる事を決定した。
 
—————
 
★一応、こういう筋書きが決まってる。
暫定的な大まか概要ってコトで。書くに至らないけど(苦笑)
『TOOL』ってのは小説で書いているエレクトロが管理する施設であり、そのシステムそのものの事です。


☆クラーケンの事。

2009/10/26

昔の飼い主の言葉
 
海より、ずっとずっと狭い水槽。
始めは、狭くて嫌だったけど、慣れてきた。
慣れてきたころに、身体の形が変わるようになった。
大きな手術って言ってた。
 
「これ、ドゥーイの身体違う…。これ、人間と同じ?」
「そうだよ。メンデス様に仕える身なのだから、その姿でいなさい」
「メンデスさま? 誰?」
「お前が護るべき、大事な人だよ」
「大事…。ご主人さまより大事、いない」
「いいや、私よりも、大事な人なんだよ。私は、お前を育てるだけの者でしかないのだから」
「…わからない…」
「いつか解れば、それでいい」
 
「強くなりなさい。その姿である事が、お前にとっては足枷にしかならないが、その姿でいれば、クラーケンとして狙われる事は無いだろうから」
「どうして…?」
「クラーケンは、希少種なんだよ。もう…どこを探してもいない。クラーケンにとって、この星の海は、狭すぎたんだろうよ」
「海…は、クラーケン、いる」
「そう…であったら、いいのだけどね…」
精一杯の無理をした笑顔のご主人さまは、そう言った後、頭を撫でてくれた。
それから、ずっと、ご主人さまと会ってない。
他の人に、ご主人さまがどこ行ったか訊いても、誰も教えてくれなかった。
 
今は、メンデスさまがいる。
ご主人さまと全然違う。わがまま、すぐ怒る、ちょっと怖い人。
でも、ご主人さまと、同じ所があった。
ドゥーイがクラーケンの姿に戻っても、怖がらなかった。
そして、心配してくれた。
この時、解った。もう、クラーケンはドゥーイしかいない事。
でも、信じられないから、海中戦闘で敵と戦った日は、戦闘が終わったとき、仲間を呼ぶために深海で泳ぎまわって鳴いた。
何回呼んでも、何日呼んでも、呼応がなかった。
だけど、どうしてか、寂しくなかった。
ドゥーイの帰る所は、海じゃなくて、メンデスさまのいる基地なんだと思う。
鉄針も、レオンも、イカロスも、きっと同じ。
だから、どんなに傷だらけになっても、帰ってくる。
ドゥーイと同じ。
メンデスさまを、護りに帰ってくる。

私服メンデス

2008/05/22

私服がこんなんだったらいいなぁ…と(笑)
思いっきりうずしおの趣味ですね、ムフー!
個人的に、メンデス様は青系が似合いそうな感じがするので、赤と黒でなくて、青と黒の配色にしてみた(笑)
あの装甲のまんまでも良いんだけど、普通に街へ出かけられねぇよなぁと思って、私服なんて考えてみた。
休戦日は、普通に生活してるといいな! いつか、イカロスとデートするが良いよ。っていうか、しろ!(笑)
 
うずしお的には、やはり装甲フル装備姿の方が好きですけど(笑)
 
頭の装甲がそのままなのは、ウサ耳を隠す為(笑)


W擬人化イカロス

2008/06/16

蒼い天使が遊びにきました。 まきしゃさま宅にお住まいの、擬人化イカロスの烏賊たんが、我が家に遊びに来ました(笑)
 
久しぶりに、気合いも愛情もMAX300で描けました。それほど、魅力的な子でしたよ!
描いてる最中、ずっと顔ニヤけてたんでしょうね、顔の筋肉が少し痛いです(笑)
人様の擬人化キャラを描かせて頂いたのは、初めてだったので、緊張しまくりでしたが、描き終えた時の達成感は、大きかったです。
 
まきしゃさま、有り難うございました~♥


檻・・・

2008/08/24






謎の浴室事件

2009/03/31

基地内で風呂に入りに行った者が、稀に行方不明になったり、意識不明の重体になったりすることがあるらしい。
意識が戻った者に何があったのか尋ねても、「怖い。言ったら殺される」としか返答が無く、自我崩壊寸前の状態。
更に、兎に対して異常なまでの恐怖を示すように…。
真相がつかめず、軍内は緊迫した雰囲気に包まれ、謎の行方不明と重体事件は、軍内に潜むスパイの仕業ではないのかと、囁かれた。
しかたなく、軍の上層部のMS#2部隊に動いてもらおうとしたが、その部隊長である総帥は、全く話を聞き入れなかった。
その後、間を置かずして総帥専用に浴室が増設され、それ以後は、謎の浴室事件は起きなかったという。
・・・・・とかいう話(笑)
 
見た者は口封じにボコった。
笑った者はこの世から消した。
 
—————
 
王様の耳はロバの耳というか、総帥様の耳は…以下略(笑)


黒覚醒メンデス

2009/04/30

黒譜面のメンデス。
強く在ることが制作者の願いであり、造られた理由。
けれど…。
そんな事は知らなかった。
自分は特別な人間。
ずっと、そう思っていた。
真実を知った時、何もかも信じられなくなった。
 
強さに身を任せて、大事なものすら忘れて。
破壊本能に目覚めて、護るものすら失って。
 
神の領域に届いた力は、制作者にとって最高の作品となった。
しかし、それは思うままに制御できればの話。
手に余る兵器は、処分される…。
・・・そんな最後。
 
—————
 
MENDESの黒譜面怖いよな。


2006/12/10

冥姉さん。
曲の美しさはもちろん、譜面の美しさもある。
きっと美人なんだろうと直感した。
うずしおは美人に描けないけど!!(ギリィッ)


2009/07/01

冥姉さん、リベンジで描いた。
 
四季折々の時の流れから、運命の輪廻から、魂ごと離れた。
不老不死。それは、無限に続く孤独だという。
だからこそ、一瞬でも大切に生きる事を心に決めた。
一瞬の思い出すらも、永遠にできる、唯一の存在。
 
我が家の冥姉さんは不老不死なのです。


「ち、違う! これは付け耳だ!! 触るな!!」

2008/05/02

自分の耳を見られて取り乱すメンデス様。
…うずしおは、初めて見た時、そのロボの形状の美しさに見とれ、曲の美しさに聞き惚れました。ああ、ラスボスは機神のようだ…と、うっとり。
しかし、よく見ると、ウサ耳にしか見えなかった。
ラスボスがウサギかよ! 可愛いな! 耳引っ張りてェな! と思った。
今までのロボの中で一番にプリティ&ビューティ。
あの容姿と強さで、ウサ耳だなんて魅力的すぎる…。


2008/05/09

クラーケンって…。
とりあえず、気色悪い化け物だと思うよ。
でも、こう…、海の生物って、神秘的でグロテスクで、何だか妖艶だったり、儚い感じだったり、色々なイメージがありますよね。
・・・未知生物だからこそ、ワクワクしてしまうワケですが。
でも、うずしおは、こーゆー人とはあまりお友達になりたくないなぁ…(笑)
 
—————
 
どうでもいい細かい設定まであります。
気になる人だけ読んで下され。
 
クラーケンはその強さに相反して希少種で、その価値は他の海洋生物たちと比べ物にならない程。
しかし、コイツは大きな獲物を狩るのが下手で、他のクラーケンよりも身体が小さく身体も弱かった。そこで、セイレーンにお願いして歌を教わり、その歌声で船員を惑わせ船を沈没させて人を食べていた。そのお陰で、他のクラーケンと並ぶくらいに強くなれた。
その後、ラボに捕われ、その時に暴れて左目を負傷。ラボ側では、隻眼では戦闘に不向きとされて、海に返されるはずだったが、他にクラーケンが発見されず、結局は返されなかった。その後、世界中を探索されたがクラーケンの発見報告は無い。
セイレーンの歌声は今でも健在だが、餌に貧困している訳ではないので、自ら歌うことは無い。頼まれたとしても、聴く者に影響を与えない数小節くらいしか歌わない。ちなみに歌詞は無く、発声の旋律で、人の声に酷似しているが、波長は全く違う。


女の子でもアリだな…と、思った。

2008/09/28

どう見てもあのロボはウサ耳にしか見えない(笑)


2009/01/04

イカ女。ボインちゃんだといい(笑)


裏に置いてた絵。
 
 
 
 
 
うさぎちゃんって、こんなだよな(酷い偏見)


TOOL 19

 自分は、主の為に生きていると、ずっとずっと…そう思っていた。
 決めていた事を変えてしまったのは、意志の弱さだったのか、それとも勇気だったのだろうか。
 新たに得た、たったひとりの者の為に、その意思を変えてしまったのだから…。
 
 
 
-良かったと思いますよ-
 
 それは、空気を伝わらない言葉。
 
-あはっ、君に言われてもねー。君とは逆の選択だったし-
 
 伝える者と伝わる者の両方に、その能力が無ければ、不可能の会話。
 ごく一部の者同士だけの、特殊な会話。
 
-君は、自分を犠牲にしてみんなを助けようとしているのに、僕は、自分の為に全てを犠牲にしようとしてるんだよ~?-
 
-全てが犠牲になんてならないですよ あなたはあの少年とこの施設から出る事を選んだ …ただそれだけの事でしょう?-
 
-ははっ、そう思ってるの~?-
 
 友人でもない、仲間でもない。
 ただ、利害が一致しただけの、そんな2人の会話。
 
-準備は進んでいるんだけどねー。攻性プログラムが、上手くいかないんだよね~-
 
-それは いずれアーミィが手伝います エレクトロのシステム構造の解析データをアーミィの頭に直接送るつもりでいますから …その代わり エレクトロのシステム妨害は ジェノサイドさんにお任せしますよ-
 
-うん、任せてよ。僕、頭いいからねー。それより…軍人君は、君の事をどう思うかなー?-
 
-どう思われても構わないですよ もう未来は決まったから…-
 
-君がそう言うのならいいけどね。管理者君に気付かれずに侵入できるのは、君だけだからねー。頼りにしてるよ~-
 
-僕の力じゃないですよ 神様との契約…だから…-
 
 苦笑いだろうか。言葉の端が歪んだ。
 
-上手くいくと思う~?-
 
-大丈夫ですよ 神様がついてますから 神様もこの施設にご立腹ですからね-
 
-君が契約した神様は、7区の神様と同じ超高次元の神様らしいね~。そりゃあ怒っちゃうよね~?-
 
-気ままな神様ですから 本当の目的は解らないですけどね-
 
-必然なる軌跡を司る運命の神様と、偶然なる奇跡を司る革命の神様かー。何だか、偶然と必然を繰り返して時を紡ぐ全てのもの、そのままだよねー。互いに交差して延々と続く、二重螺旋の遺伝子みたいだと思わない~?-
 
-面白い事 言うんですね-
 
-あはっ、良く言われるよ~-
 
 俄に変わる空気。2人は、それを敏感に感じ取った。
 
-これは… アーミィの様子が…変わりましたね 何が起きたか…知っていますか?-
 
-7区の研究員が遊んでいるんだよ。6区の使えなくなった実験体や、弱い実験体をかき集めて造った、生き物をねー。軍人君と遊ばせたんだよ~-
 
-そう…ですか アーミィの精神に傷がついた事で 中に眠っていたあなたの能力が暴走したようですね-
 
-みたいだねー。今、こっちにも振動がきたよ~。7区の実験場は大破かな。僕の遺伝子なんか使うから…ククッ-
 
 明らかに敵意に満ちた嘲笑い。
 
-他の地区も あなたの遺伝子に興味を持っているみたいですよ-
 
-あはっ、そうなの~? 僕、モテモテだねー。…そうそう、ギガ君がね、僕の事、軍人君に似てるって言ったんだよ。信じられないくらい感が良いから、見抜いたんだろうね~-
 
-あの少年には 特別な能力がありますね …だから ここに連れて来られたんでしょう-
 
-そうみたい。でもギガ君、自分の能力に優越感と劣等感、両方を持ってるみたいだね-
 
-今は彼の能力の数値を計る事に着目していますが あまり長くこの施設にいると…いずれは遺伝子に手を出されてしまいますよ-
 
-それは絶対にさせないよ~。そうになったら、僕、本気出しちゃうからね~-
 
-ええ 僕も善処します …彼の能力は 強大な軍をたった独りで完璧に操れる程の力になり得る…そんな力が悪用されては危険ですから-
 
-危険な存在ばかり集まってるからねー、この施設。そう言えば…どうして6区が僕の遺伝子情報を持っていたのか、解らないんだよね~-
 
-エレクトロですよ-
 
-管理者君が…? いつ…?-
 
-この施設全てが エレクトロですから…壁に手を触れたり 床に髪が落ちたら もうそれだけで 遺伝子情報を与えてしまうようなものなんですよ 6区には優秀なハッカーがいて その人がエレクトロからあなたの遺伝子データを得たんです そのハッカーだった研究員は自害しました-
 
-あはっ、参ったなぁ~。管理者君がそこまで完成された存在だったなんて思わなかったよー。・・・本当に恐ろしいなぁ管理者君は。早く何とかしないとね~-
 
 
 
 
 彼は、神との契約者だった。そう、自分で言ったのだ。
 けれど、実際は違う。
 神の為の、犠牲者だった。
 契約した神は、気の遠くなるような周期で転生するらしい。
 その転生に使われる身体だった。
 薬漬けの身体で生きているというよりは、生かされている状態。そんな彼が神に選ばれた。
 彼は神の転生の犠牲になる代わりに、エレクトロに気付かれずにハッキングする力を神に願った。
 気まぐれらしいその神は、その願いを聞き入れた。
 この施設の崩壊を、神も面白がったのだ。
 同じ身分であるらしい他の神の欠片が、7区に捕われているから、その怒りもあったようだった。
 7区に捕われている神を、何度か見に行った事がある。黒い大きな翼を生やした男神であったり、光り輝くような美しい女神であったり、その神の姿は見る度に入れ替わっているようだった。
 この施設からの逃亡、この施設の崩壊。
 それは多くの者が望む事。
 
 
 
-上手くいくと思う~?-
 
-ええ もちろんですよ-
 
-無理しないでね~、契約者君~?-
 
-ふふっ 皮肉な呼び名ですね …僕は大丈夫ですよ ジェノサイドさんこそ後悔しないように…-
 
 
 お互いに、気休め程度の励ましをかけ、言葉の無い会話は終わった。
 
 
 
 
 
未完


MZD

「有」の体現なる創造神、「無」の象徴なる影。
音ゲーの楽しさを知ってから、もう10年以上も時が経っていただなんて実感湧かないけれど。始まりを与えてくれて、ありがとう。
いつかくる終焉も、どうかその「音」で…。
MZDはポ10のが一番好き。曲も好き。…猫耳帽子は趣味です。


創作絵まとめ5

2009/08/11
名前:レイカ
五代目のサージェイドが寄生した少女。


2007/08/18
名前:トト
獣人系。ススキ畑で目の見えない少女と出会って、仲良くなる話だったような気がする。


2007/01/14
ドラゴン系。
時間の概念に気付いた時点で、諸行無常の理を知るハメになるんですけどね。


2006/10/17
巻き角獣少女。


2006/08/22
名前:人工天使


2006/02/19
名前:四代目・サージェイド


2006/02/02
某所のお絵描き掲示板に描いたドラゴン。


2005/07/26
『君は僕等の太陽だ計画』で、
御題を頂いて描かせて頂いた子。


2005/06/24
名前:玉乗りサージェイド
無限の魂を集約した…終焉の果てに。


2005/03/06
名前:サージェイド
有るのは、己だけ。黒の無に佇む、白の有は自分だけになった。


色々絵まとめ2

2009/07/12
ファイナルファンタジー7のケフカ。
人格崩壊の末に神気取り。最強のぼくちん。


2009/04/20
リボーンのS・スクアーロ×3
スクアーロ、過去現代未来フルコンプ!(笑)


2007/10/26
「変わらない想いがあるのならば、いつか桜の下で…」
『大神』のアマテラス。
最高のゲームだった。開発者さんたちの愛で溢れてる。


2006/06/06
『大神』の双魔神の片割れ、黄金魔神モシレチク…の擬人化というもの。


TOOL 18

 何で、どうして。
 事態に混乱して、逃げるように自分の部屋に帰った。
 あれから、ギガデリックはジェノサイドの部屋に行かなかった。正確には、行けかなかった。
 ベッドの上にうつ伏せになって、枕に顔を埋める。
 ジェノサイドが実験体だった。
 醜いバケモノが存在していた。
 そのバケモノをあっと言う間に消したジェノサイド。
 血と残骸。
「オレは…」
 番号で呼ばれた自分は、実験体なんだろうか。
 ベッドの傍らに浮いている目玉型メカが、心配そうにころりと傾く。
「ジェノ兄は…。ジェノ兄は、オレのコト、デリックって呼んだ…」
 本名だった。
 この施設に来る前まで、呼ばれていた名前。
 しかし、その名で呼ばれるのは、いつも決まって咎められる時だった。
 自分の能力を、誰も認めてはくれなかった。
 いつだったか幼い頃、この能力を信じてもらえなくて近所の子と大喧嘩になり、思わず言ってしまった。「お前なんか、車にひかれちまえ!」と。
 ちょうど近くを通っていた車を、怒り任せに操って、その子を引かせてしまった。幸い、かすり傷だけですんだ。運転手は車が勝手に動いたと言い張っていたが、当然そんな事は信じてもらえず、警察は運転手の不注意という事にした。
 …誰も、この能力を認めてはくれなかった。
 居心地の悪い、世界だった。
 昔読んだ小説や漫画の、魔法だとか超能力だとか、そんな不思議な力が使える主人公を、みんな憧れていた。ごっこ遊びだってやっていた。大人だって、その話を夢中で読んでいた。
 それなのに、現実では、その能力は認めてもらえない。
 矛盾した世の中だなと、幼心に思った。
 いっその事、この漫画の世界に入れれば、主人公みたく世界を救う冒険に…なんて、そんな馬鹿げた事も考えた。
 現実と空想の世界の間で、どっち着かずな自分の存在を、どこか諦めて冷めたように思えてきた時、この施設に呼ばれた。
 誰も咎めなかったし、咎める名前を呼ぶ人もいない、そんな世界。
 本気で嬉しかった。どんなに喜んだ事か。
 けれど、あの時、ジェノサイドに本名を呼ばれて、気付かないようにしていた想いに、無理矢理気付かされた。
 何となくでしかないけど、これが真実なんじゃないかと思う。
 どうして両親が、この能力を認めてくれなかったのか。
 それはきっと、普通の人間でいて欲しい、と、そんな最後の願いだったんじゃないかと。
 能力を使わなくても、人間は生きていけるんだから、と、それを解って欲しくて、両親は泣きながら怒っていたのかもしれない。
「オレ、気付くの遅過ぎだっつーの…」
 ギガデリックは、寄り添っている目玉型メカを抱き寄せて、また溜め息をつく。
「でも、今更、戻れねーよな…」
 この施設では、普通じゃない事が、普通だから。
 もう、この世界でしか生きられないような気がする。ここはあまりにも居心地が良過ぎた。
 それに、もう、どんな顔をして両親に会えば良いのか解らない。
 両親への殺意は、完全に消えたと言うのに…。
「どーすればいーのか、解んね…」
 主人の気落ちが心配なのか、目玉メカは、大きな目を細めた。
 再び溜め息をしようと息を吸い込んだその時、ジェノサイドが部屋に入って来て、ギガデリックは弾かれたように飛び起きた。
 あの時に見た、実験の記憶が鮮明に蘇る。
 数秒の沈黙が流れて、ジェノサイドは口を開いた。
「ごめんね…」
 ただ一言、小さくそう言った。
「何で…ジェノ兄が…謝の?」
「あのね、ギガ君…」
 恐く無いと言えば、答えは嘘だ。
 だから、本能的にだったのかもしれない。
 1歩近寄ったジェノサイドに、ギガデリックは身を引いてしまった。
 その様子を敏感に悟ったのかもしれないジェノサイドは、身体を縮こませて背中を向けた。
「ごめん…。もう…、会わない方がいいよね。謝りに来ただけだから、もう二度と…」
「待てよ!」
 部屋から出ようとするジェノサイドを呼び止めたが、止まろうとしないジェノサイドに、ギガデリックは駆け寄ってコートの裾を引っ張った。
「まだ帰るな! 言いてーコトと、聞きてーコトがあんだよ!」
 部屋のドアに念じてドアを閉めさせると、ロックも掛け、そのパスワードも変更させた。その一瞬の素早い対応に、ジェノサイドは少し驚いて、こちらに振り向いた。
「ごめんね、ごめんね…」
 ただただ、震えを帯びた声色で謝罪を繰り返す。
 違う。聞きたいのは、謝罪の言葉なんかじゃない。
 本当なら、謝るのは自分の方。来るなと言われたのに、行ってしまった自分。
「ごめんね、恐かったでしょ…。僕は、バケモ…」
「黙れ」
 低い声で、その先の言葉を止めさせた。
「僕が実験体を処分する所、見たでしょ? 僕も、人間じゃな…」
「うっせぇ! オレが聞きてーのはそれじゃねーっつの!!」
 力任せに怒鳴ると、ジェノサイドは、はっとして身体を固まらせた。
「オレだって、普通と違うっつの! 機械操れるし! まだ誰にも言ってねーけど、少しくらいなら、動物だって操れんだよ!! だけどな! 誰が何つっても、オレは人間だ!!」
「ギガ君…」
「ジェノ兄は、オレの力と違うけど、きっとオレと同じなんだよ! だから人間! それともテメェ、オレが人間だっての否定すんのかよッ!?」
「ち…違うよ、そんな事…」
「じゃあ、ジェノ兄も人間。分かったか!? 分かったよなッ!!」
「ギガ君は、僕の事、人間だと思ってくれているんだね…」
 ジェノサイドは、ゆっくりと息を吐く。
「当りめーだっつの!」
「ありがと…。それだけで、僕、人間でいられる気がする…」
「バカなコト言ってんじゃねーよ。人間だろーが」
「うん…」
 ジェノサイドが落ち着いたのを確認すると。ギガデリックは、部屋の端からパイプ椅子を引っ張り出してジェノサイドを座らせすと、自分は、ベッドの端に座って向き合った。
 何を言えばいいか…。少し迷っていると、自分の口は、言葉よりも、質問の方が素直に出てくれた。
 ゆっくりとした口調で訊いてみる。
「ジェノ兄はさ、何で、この施設に来たの?」
 そうだ。この質問。何度も会ってるのに、一度も始まりの事を訊いた事がなかった。
「僕ね、記憶が無いんだ。この施設に来る前の、記憶が。気がついたら、ここに居たんだよ」
「え? でもジェノ兄、大学の教授やってたって言ってたじゃんか」
「それは…教えてもらった記憶なんだよ。…本当は、そんな過去だったなんてウソだって…知ってる。だけど、ここに来る前の事。何も覚えてないなんて寂しいから…ウソの記憶でも欲しかったんだ」
「……」
「唯一ね、覚えてる事があるんだ」
「何?」
「ある人がいて、僕はその人の為に生まれて…今でも、その人の為に生きてるって事」
「ソイツだれ? ドコにいんの?」
「第1地区で眠ってるよ。もう…ずっと…」
「分かってんなら行けばいーじゃん! ソイツに会えば、ジェノ兄の記憶戻るかもしれねーし!」
「無理だよ。管理者君の奥の部屋だから」
「管理者が何だっつーの! オレがぶん殴ってでも会わせてやるよ!」
 声を荒げて言うと、ジェノサイドは、はっとして大きく息を吐いた。
「・・・あはっ、やーだ、恥ずかし。僕ったら、泣いちゃったじゃない。今のナシね」
 いつものヘラヘラした態度に必死に戻そうとしているのが解った。
 ゴーグルで見えない先の目が泣いてた事くらい、もう知っていた。
 そして、最後にジェノサイドは言った。
 また実験だから…と、部屋を出て行く寸前に。
「ギガ君…、僕の事…嫌いにならないでいてくれるんだね…」
「嫌いになる理由なんか、ねーよ」
 ジェノサイドの実験を止められるだけの権利は無いし、着いて行ってジェノサイドの実験を見たら、今度こそ、自制が効かずに研究員を殺してしまうかもしれなかった。
 ギガデリックは部屋のドアを開けて、ジェノサイドの背中が見えなくなるまで見送った。聞きたい事は、もっとあったのに、何から訊けばいいのか分かんなくて。
 でも、言いたい事は言えた。
人間だ、と。
 ジェノサイドを見送った後、ギガデリックはベッドの端に座って、目を閉じた。
 本当は、気付いていた事だった。
 確かではないが、自分には相手が何であるかを本能的に見極める能力もある。でも、この能力は100%のものではなかったから、自分でも信じていなかった。
 ジェノサイドからは、人間の気配が殆どしない。
 だから、初めて会った時に機械なのかと思って、思いっきり脛を抓った。それを痛がっていたから、やっぱり人間なんだろうと思っていた。
 ほんの少しだけは、人間の気配がするから、きっと、…いや、絶対に人間なのだろう。
 それだけで十分だと思う。
 あんなに酷い実験をする研究員の方が、人間だとは思えない。
 また実験だからと、出て行ったジェノサイドの事を考えると、いてもたってもいられなかった。
「どうすればいーんだか…」
 溜め息混じりに、言葉を吐く。天井近くで、目玉型メカたちが、太陽系を真似して円を画いて公転している。その内の、太陽役をしていた赤い目玉型メカが、すとんとギガデリックの膝の上に下りて来た。
「そっか…」
 その様子を見て、閃いた。
 簡単に考えれば、ジェノサイドが実験されなければいいワケだ。ここの連中は、ジェノサイドが人間だと思って無いから、あんな酷い実験をする。要はジェノサイドが異質である事を知らない人たちの所へ行けばいい。
 この施設から、抜け出せばいい。その1区にいるという、大事な人も一緒に。
 閃きにも似た考えだった。
 でも。
「あれ…?」
 ギガデリックは、この施設の出口を思い出そうとしてみたが、思い出せなかった。
 自分は、どこから、この施設に入ったのだろう。
 この施設に初めて来た時の事だけが、ぽっかりと記憶から抜けていた。
 そこから辿ってみると、抜け落ちた記憶は、それだけでは無かった。
 この施設に来る前、自分はどうやってここの研究員と知り合ったのか、どうやって家から出たのか、その時の両親はどういう様子だったのか。
 無に塗りつぶされたような、空白の時間。
 不安が、じわじわと襲ってきた。
 僕ね、記憶が無いんだ。…と、ジェノサイドの言葉を思い出す。
 ギガデリックは、頭を抱えた。
 記憶を消されたんだと、確信した。
「オレの記憶を消さなきゃならねーコト、したってコトだよな」
 生まれた不安は、すぐに危険信号へと変わった。
 ここに居てはいけない。
 そうだ、ジェノサイドを連れて、ここから出よう。
 それしかない。
 冷静さに欠いた頭で、ギガデリックは必死に考えた。
 出口を探さなければ。
 研究員に吐かせるか。
 自分で探すか。
 研究員に吐かせた方が早い。
 施設側は、11地区のチーフであるジェノサイドの記憶も奪った。
 研究員が出口を知ってる保証は無い。
 自分で探す。
 この施設の事を知らない。
 知ってるのは管理者。
 殴ってでも出口を吐かせる。
 管理者を探す。
 管理者は2区にいる。
 管理者に会って、1区で眠っているジェノサイドの大事な人を連れ出して…。
 でも、ずっと前から興味半分で管理者のいる2区を探しているのに見つからない。
 ふと、ジェノサイドがホリックに2区へ行くように言っていたのを思い出した。
 けれど、あのホリックというヤツは気に話しかけるのは喰わないし、いつもどこにいるのか知らなかった。
 どうすれば…。
 深くは考えられない焦った思考でいっぱいになっていたその時、突然、部屋のドアが開いて、誰かが入って来た。
「・・・あ…」
 お互いに目が合って、間抜けなくらい目も口も大きく開けていた。
 ドアはロックされていた。
 それなのに、いとも簡単に入って来た。
 もしかしたら、自分と同じに機械を操れるヤツなのだろうか。
 ギガデリックは目玉メカたちにいつでも戦闘態勢に入れるように待機させ、様子を伺う事にした。
 ゆっくりとベッドの端から立ち上がる。
 すると、相手は恐る恐る手を挙げた。
「よ、よぅ…」
 挨拶のつもりだろうか。引き攣った笑顔を作る。その口の端に大きな牙が見えた。
「よう」
 挨拶をしてきたのだから、とりあえず、こちらも軽く挨拶を返してみる。
 入って来たヤツは、黄色っぽい肌をした、赤茶色の髪。年齢は、自分と同じくらいに見えた。
 よく見れば、人間の目をしていなかった。暗闇に浮かぶような、血の色の目。
 ギガデリックは、自分が能力を使っている時に、瞳の色が深紅色に変わる事をふと思い出した。
 目を細く凝らし、探ってみると、ジェノサイドとは全く違うが、人間の感じはあまりしないという共通点があった。
 こいつも実験体だと、確信した。
 侵入者は、くるりとドアの方に向く。
「おい、エレクトロ。中に人いるじゃねぇか! ・・・いや、研究員は居ないって言ったけどよぅ…」
 何やら、独り言を始める様子に、ギガデリックは顔をしかめた。
 いわゆる、危ない人ではないだろうか。
「…そんな事言われてもよぅ…」
 やや泣き言のような弱い声を出して、侵入者がこちらに向き直った。
「あの、えっと…。迷子…ってやつだ」
「あ?」
 何を言ったのか、一瞬理解できずに、ギガデリックは首を傾げた。
 すると侵入者は大慌てで、再びドアの方を向く。
「疑われてんぞ! …だって、そんな事…。…うぅー」
 最後には犬のうめきに似た声を出す。
 どうやら、姿の見えない誰かと話をしているようだった。
 もしかしたら、本当に自分と同じに機械と対話して操れるヤツなのではないだろうか。
 同じ者との出会いによる、孤独からの解放の歓喜。
 特別なのは自分だけではなかったという、優越感の崩壊。
 そんな思いが頭をぐるぐると回っていると、侵入者は、またこちらを向いてきた。
「オレは、7区に帰りたいんだけど、研究員に見つかるわけにはいかねぇんだ。ちょっとでいいから、ここにいさせてくれ」
「ああ、いいぜ」
 ギガデリックは、あっさりと願いを聞き入れた。
 どんなヤツなのか解らないが、興味が湧いたからだった。
 7区に帰りたいという事は、コイツは7区の実験体の可能性が高い。
 研究員に見つかりたく無いという事は、研究員に対して悪い事をしている証拠。
 外地区への許可証も持っていないのに、自分の地区から出るという事は、よほどの何かをしているのではないだろうか。
 その内容も気になった。
「本当か」
 許可を出すと、侵入者はぱっと顔を明るくした。
「ありがとな」
 無邪気に笑顔を見せて、侵入者は安心したらしく、軽く伸びをする。
 相手に警戒が無いと知ると、ギガデリックは問い質す事にした。
「なぁ、どうして迷子になったんだ?」
「え、ああ…。どうしても会いたいやつがいて、そいつに会った帰りだったんだ」
「実験体は普通、地区から出るのは禁止だろ」
 と、言った後に、ギガデリックは、マズい事を言ったと思った。
 侵入者が実験体である事は、まず間違いないだろうが、今の発言ではこちらに警戒させるようなものだった。
「そうなんだけどよ。何か、心配だったんだよ…」
 しかし、相手は特に気にしなかったようで、普通に返事をしてきた。
「ふーん」
 ギガデリックは軽く頷く。
 実験体に心配されるようなヤツなんて、この施設にいるのか。
「許可証無しで別の地区に行くのが、下手すりゃ処罰される事だって知ってんだろ? 何で、そこまで…」
「友達だからな」
 少し照れくさそうな笑顔で答えてきた言葉に、ギガデリックは微かに羨望のような感情が湧いた。
「…ん。ああ、そうかよ。…もう大丈夫みたいだ。匿ってくれて、ありがとな」
 また姿の見えない相手と会話をしたらしい。侵入者は部屋から出て行こうとした。
「お、おい。お前、さっきから誰と話てんだ? 機械…か?」
 ギガデリックは慌てて、一番知りたかった事を訊いた。
「機械みたいだけど、機械じゃねぇな…。ここの管理者なんだとよ」
「な…」
 信じられない言葉に、ギガデリックは目を見開いた。
 ずっと興味を持って探してたヤツの知り合いを見つけた。この機会は絶対に逃したらだめだ。
 部屋を出た侵入者に駆け寄り、手を掴んで、部屋に引き戻した。
「おい、待て! 管理者って…!!」
「ん?」
 部屋に戻されて、驚いた顔の侵入者が振り返る。
「ドコにいんだよ、そいつ!」
「えーっと…。右行って左行って左行って……あれ? 右か? うー、覚えてねェや…」
 侵入者は、心底困った表情で頭を掻く。
「オマエ、エレクトロに何かあるのか?」
「2区に行って…、大事な話があんだよ」
「そうか。良くわからねェけど、会いたいのか。・・・どうするエレクトロ? オマエに会いに行きてェんだとよ」
 侵入者は、管理者と話を始めた。
「許可が必要だって言っても…。…でもよ、オマエに用があるって、言ってるんだぞ。オレだって、オマエに会いに行ってるじゃねぇか」
 その様子を、ギガデリックは、複雑な思いで眺めていた。
 そうか、管理者の手伝いがあったから、パスワードでロックの掛かっていたドアを開けられたのだろう。
 特別とも思えない実験体が、管理者と同等に話している。
 この狂気に満ちた施設の全てを知り、厳重に管理している者が、一体何故…。
 もしや、この侵入者は、実はとても偉いヤツなんだろうか。ジェノサイドみたいに実験体でありながらチーフか、それ以上の。
 いや、そうだとしたら、地区移動の許可証を持っているはずだ。
 話が終わったらしく、侵入者は、こちらを向く。
「オマエ、機械持ってるのか?」
「あ? 目玉のコトか?」
「エレクトロが、2区までの順路データを作るって、言ってるぞ」
 ギガデリックは、目玉型メカを呼ぶと、侵入者の前で滞空させる。
「あ…。オマエも、オレと同じに重力が操れるのかよ!?」
 侵入者は、空間に浮かぶ目玉型メカとこちらを交互に見て、感激したように顔を輝かせる。
「重力じゃねーよ。オレは、どんな機械でも操れんだぜ」
「へぇ、エレクトロみてぇだな。オレと同じなのかと思った」
 侵入者の苦笑いに、ギガデリックは自分が思った、同じ者との出会いによる、孤独からの解放の歓喜と、特別なのは自分だけではなかったという、優越感の崩壊を思い出す。
 きっと、同じ思いなのかもしれない。
 孤独と優越感を抱いて生きているという所は、仲間なのかもしれない。
 そう考えが辿り着くと、ほんの少し仲間意識が現れた。
 仲間だとしたら、一緒にこの施設から出るべきだろうか。
 いや、管理者の友達なのだから、この施設から出るなんて、考えもしない事だろう。
 侵入者は、耳の穴から、小さな部品のようなものを出し、目玉型メカの上に置いた。
 目玉型メカは、ギガデリックを不安げに見詰めていたが、やがて目を大きく見開いた後、ゆっくりとまばたきをする。2区への順路データを取得したと、伝えてきた。
「これで、いいか?」
 侵入者は小さな部品を耳の穴に戻すと、ギガデリックを見る。
「ああ、確かにデータもらったぜ」
 そう答えると、侵入者は最後に軽く挨拶をして、部屋を出て行った。
 目玉型メカを抱き寄せると、ギガデリックは、笑った。
 管理者に会える。
 出口を教えてもらい、ジェノサイドと、ジェノサイドの大事な人を連れて、逃げればいい。
 もし、管理者が拒否したら…。
 ・・・侵入者には悪いが、力づくで管理者を…。
 
 
 
 
 
つづく


TOOL 17

 施設の外にいる兄弟に、会ってみたい。
 初めて、自分から望んだ事だった。
 けれど…。
 命令で与えられたものではない自分で決めた事は、どうすればいいのか。
 それが解らなかった。
 目的を見つけても、そこへ辿り着くには、どうすればいいのか…。
 ミニマのいる部屋に研究員が入って来て、アーミィは部屋から出るように言われてしまった。
 無感情な蛍光灯の明かりに照らされる、静まり返った廊下。
 ドアを背に、アーミィは焦点の合わない目線を床に落としていた。
 この施設内どころか、第6地区からも出た事が無い。
 それなのに、施設の外の兄弟に会う事ができるのだろうか。
 何をどうすれば良いのかも解らないまま、アーミィはふらりとドアから離れた。
 研究員は、暫くはミニマの部屋から出る気配は無く、アーミィは仕方なく独房のような自分の部屋に戻る事にした。
「こんな所にいたか」
 廊下を歩いていると、やれやれといったふうに2人の研究員がやって来た。
「お前が何百人といれば、十分な戦力になるだろうな」
「7区の連中が、お前に遊び相手を造ってくれたぞ」
 日常会話のような、気楽な口調の話の奥に、アーミィは微かに危険を感じた。今まで何とも感じていなかった研究員の存在に、不安が芽生えていた。
 この施設に連れてこられたのだと、知った時から…。
 研究員に付いて来るように言われ、アーミィは無言で後を追った。
 2人の研究員は仲が良いらしく、下らない談笑をしながら歩く。
 聞いていた所で、自分には関係無いと知ると、アーミィは研究員たちの会話を意識から外した。
 2人の研究員が進んで行くのは、初めて通る廊下。とは言え、良く似た造りの無彩色の廊下が続いているだけだった。
 嫌でも視界に馴染んでしまった廊下を進んで行くと、大きな広い通路へと出る。
 あまり変わり映えの無い、廊下が広くなっただけのような大通路だった。
 その大通路の先を、見上げるような大きく重厚な鋼鉄のゲートが塞いでいる。
 片方の研究員が白衣のポケットからカードを取り出し、鋼鉄のゲートの左端になる端末にカードを翳と、赤いランプの点灯していたゲートが青いランプに変わり、重々しい音を立てながらゲートが開いた。
 その後も、大通路のゲートを数カ所通過し、施設内用輸送車も入れる大きなエレベーターに乗る。エレベーターは動いている事を、あまり感じさせなかった。
 広いとはいえ閉ざされた空間に、研究員の他愛のない会話が響く。
「あのジェノサイド博士って、知ってるか?」
 不意に、知っている名を耳にして、アーミィは2人の研究員話に耳を傾けた。
「あー。見た事はないが、11区の人だろ? 何してるのか知らないが、いろんな地区に顔出してるらしいな」
「一部の噂によると、本部関係者らしい」
「何で本部の関係者が、『TOOL』に来てるんだ?」
「さぁな。ジェノサイド博士と話した事がある奴が言ってたんだが、何考えてるのか解らない変な人らしい」
「本部と言ったら…、兵器の視察にでも来てるんじゃないか?」
「俺もそう思ったんだが…。そうではないような様子らしい」
「ははは。それじゃあ、本部から左遷されて来ただけなんじゃないか?」
 ゴウンと音がして、エレベーターが止まり、ドアが開く。
 ここでエレベーターから降りるのかと思い、アーミィは顔を上げたが、研究員は立ち止まったまま会話を続けている。
 開いたドアの先には、輸送車があった。
 ゆっくりと輸送車がエレベーターに入ると、正確なタイミングでドアが閉まる。再びエレベーターが動き出した。
 アーミィはすぐ隣に停車している輸送車を見る。運転席の無い、完全自動輸送車だった。
 アクリル板に囲まれたケージが3つと、水槽を積んでいる。それぞれには、大鷲に似た生物と、ライオンに似た生物、蠍に似た生物が入っているのが解った。水槽にも何か生物が入っているらしかったが、よく見えなかった。
 この施設には、動物を扱っている区域もあるのかもしれない。
 アーミィは、生きているのか死んでいるのかも解らない、動かない生物たちから目を離した。
「これは15区の…? 完成した…のか…?」
 研究員のひとりが、輸送車の積み荷を見て、緊張に震えた声をだす。
「まさか…」
 もうひとりの研究員が、馬鹿な事は言うなと呆れたように肩を上げる。しかし、その顔は明らかに引き攣っていた。
 その後、2人の間に会話は無く、重い空気に包まれた。
 数分くらいして、エレベーターが止まり、輸送車は開いたドアの先へと消えて行った。
 輸送車を降ろしたエレベーターが動き始めると、2人の研究員は、思い出したかのように、他愛のない雑談を再開する。
 気に留めるような内容では無い会話だったから、アーミィは視線を床に落とした。
 自分は、この施設が全てだと思っていた。
 研究員の命令は絶対に従い、あらゆる格闘技や暗殺術を体得していれば良かった。他のアーミーたちと戦って勝ち、生き残る事だけを考えていれば、それだけで良かった。
 けれど、自分はこの施設の外にいる双子の片割れで、無理矢理ここへ連れて来られたのだと教えてもらってから、今までの全ては何だったのか、疑問が浮かび始めた。
 …兵器。
 ああ、そうだ、兵器を造っているんだ。
 ふと、そんな事を思い出す。何の感慨も無く、アーミィは理解をしていた。
 兵器は誰よりも強くなくてはいけない。兵器を造る理由は知らないけれど、自分は兵器である事は、当たり前だった。
「ここだ。降りるぞ」
 研究員に声をかけられ、アーミィは顔を上げた。
 2人の後を追い、エレベーターから降りる。
 第7地区、と大きな文字で書かれている通路が見えた。
 ここが、7区。
 6区と変わらない、殺風景な無彩色の通路。
 微かに、獣の匂いと薬品の匂いが漂っている。どこからか聞こえる、何かの鳴き声。沢山の生物のいる気配がありありとする。
「死んだ同僚は、昔、この地区だったんだ」
「へぇ、そうだったのか。この地区は、6区や4区よりもずっと優秀な者たちの集まりだろう? 初代の高位生体兵器も、ここからの出だと聞いたぞ」
「そうなんだが…。ここの実験体に噛まれて、怖くなって6区へ来たんだ。だがな、噛んだ実験体が病気持ちで、感染してて・・・感染の拡大を防止する為に殺されたんだ」
「え…、そんな事…」
「正直…言うと、この地区は、あまり好きではない」
 苦笑いを浮かべながら話す研究員は、足早に通路を進み、岐路の廊下へと曲がる。
 アーミィは遅れないよう、小走りで2人の研究員を追った。
 曲がり入った廊下には、7区の研究員が立っていた。6区のものとは少しデザインの違う白衣を身に纏っていた。
「ようこそ第7地区へ」
 薄い笑みを口に浮かべ、7区の研究員は軽くお辞儀をする。
「これが、そうです」
 と、研究員がアーミィを前へ促す。
 7区の研究員の前へ出されたアーミィは、俯き加減に7区の研究員を見上げた。興味深そうな視線が降りてくる。
「ほう、これが6区の完成品かね」
 7区の研究員は身を屈めて、アーミィと目線を合わせる。
 まじまじと顔を見詰めた後は、ぺたぺたと腕や肩を叩いてきた。
「優良そうだね」
 ひとり満足そうに呟く、7区の研究員。
「では、こちらへ…」
 7区の研究員は先導を始めた。
 アーミィは、3人になった白衣の大人の後ろを歩く。
 獣のような声が、遠く、近く、聞こえる廊下。
 6区に比べて、研究員の人数も多いらしく、廊下で何人もすれ違った。
 先を歩く7区の研究員の後ろで、2人の研究員は小声で会話を始めた。
「全然違う雰囲気の地区だな。随分と、実験体の数が多そうな所だ」
「ここは、マッドサイエンティストの集まりだって話だ。かなり力を入れている地区らしいぞ。一部では、神の具現化の実験もしているらしい。・・・ここは…我々の地区よりも酷い事をしてるんじゃないか?」
「そう…かもな…」
 複雑な表情を浮かべている研究員の横顔を見ていたアーミィだったが、あちこちで聞こえる動物のような鳴き声の方が気になって、歩きながら空いているドアの奥を覗き始めた。
 部屋の中に、たくさんのケージが積まれているのが見える。ケージは空であったり、動物が入ってた。
 ケージの中の生物は、図鑑に載っている動物たちの姿があったが、一体何なのか名称が浮かばない、明らかに人為的な遺伝子操作で生まれたような生き物の姿もあった。
 異形な姿の動物に、アーミィは、恐怖よりも、哀感を抱いた。自身の事でなく、他の者に対して感情を持つのは、自分でも驚くくらい珍しい事だった。
 …それほど、惨烈な姿をしている生物だった。
 生物たちに気を取られ、研究員たちとの距離が遠くなっているのに気付いて、アーミィは早足で研究員たちに近づく。
 アーミィが研究員たちとの距離を詰めた丁度その時、7区の研究員が他とは少し色の違うドアの前で足を止めた。
「こちらの部屋が武器庫。その奥の部屋が戦闘場所です。6区に合わせて造らせました」
 7区の研究員は、ドアに取り付けてあるカードリーダーに、カードを翳してロックを解除する。
「さぁ、どうぞ、6区の兵器。好きな武器を持って、奥の部屋で暴れておいで」
 7区の研究員が、気味が悪いくらいの、にこやかな笑顔を向ける。その笑顔が、上辺だけのものだと、アーミィはすぐに解った。
「隣がモニター室です。こちらへどうぞ」
そう言い、7区の研究員は、隣のドアを開けて、部屋に入って行った。
 7区の研究員の姿が消えると、6区の研究員のひとりが、武器倉庫のドア前に立っているアーミィに声をかけた。
「アーミィ、ターゲット撃破して、その一部を持ち帰って来い」
「おい、そんな事…」
 もうひとりの研究員が制止に入る。
「こちらの研究に役立つかもしれないだろ?」
「しかし…」
「他の地区のサンプルが手に入るかもしれないんだ。こんな機会、滅多にないじゃないか」
 言葉を詰まらせる相方を宥め、研究員はアーミィに向き直った。
「いいか、7区に気付かれないように、持ち帰るんだぞ。危険な場合は、中止しろ。お前は大事な完成品なのだから」
 アーミィは、研究員の言葉に頷いた。
 命令だ…。久しぶりの。
 全身の毛が逆立つように、殺気が湧いてくる。
「行け。ミッションスタート」
 合い言葉のような、始まりの合図。毎日のように聞いていた、戦闘訓練開始の言葉。
 その言葉を聞き終わるか終わらないかの内に、アーミィは動き出した。
 入った部屋は、6区の武器倉庫よりは、だいぶ狭かった。とは言え、その整然と並ぶ銃器の光景に、ふつふつと戦闘訓練を思い出す。自分の眼光が鋭くなるのを自覚した。
 アーミィは武器庫内を駆け足で見て回り、自分が良く使用していたものと同じ銃を見つけ、走りながら手に取る。
 程良い重さの…同年の普通の者には重く感じるであろう重さが手に馴染んで、微かな安心感をくれた。
 次はライフルを掴み取って背負った。走る勢いはそのままに、反対の棚にある手榴弾を麻袋に6個入れる。最後にサバイバルナイフを握った。
 6区で他のアーミーたちを倒していた時は、サバイバルナイフと拳銃一丁で事足りていた。
 けれど、今回は相手が全くの不明。どんな戦略が有効で、相手がどんな戦闘術を有しているのかも解らない。
 それでも、アーミィは、大抵の相手には負ける気がしなかった。
 ターゲットの撃破と、その一部を持ち帰る。
 これが、命令。
 命令は、絶対なのだから。
 部屋を縦断するように走り抜けた先に、もうひとつのドア。
 この先で、戦闘がある。
 アーミィは、ドアの前で止まり、大きく深呼吸をしてから、慎重にドアを開けた。
 薄暗い武器倉庫とは一転して、明るい…6区の偽造都市と似た空間が広がっていた。
 6区の偽造都市と比べて少し狭い広さではあったけど、造りは良く似ている。
 7区の研究員が言っていた「6区に合わせて造らせました」とは、この事なのかもしれない。
 アーミィは良く似た雰囲気の偽造都市を見回った。
 相手に見つかる前に、相手を見つけなければいけない。
 気配と息を殺し、ビルの壁に沿いながら、周囲に注意を払う。
 そんなアーミィの予想を裏切り、ターゲットは堂々と気配をまき散らしていた。
 向かいのビルの先に見える、生物というには、あまりにも歪な姿。
 3メートル程の高さの小さな山のような形に、巨大な虫の足に似たものが沢山生えている。慣れていないようで、虫のような足はぶつかり、絡まりそうになりながら、覚束無い足取りだった。
 視界が悪いのか、障害物に対する意識が低いのか解らないが、何度もビルの壁に身体の端をぶつけながら、その度に方向角度を変えて進んでいる。
 アーミィは目を大きく開けて、不気味な生物を凝視した。
 自分の知識の中に無い、得体の知れない生物。7区の廊下を通っている時に見た不気味な生物とはまた違う、奇妙な生物。
 あれは…、弾丸や手榴弾の効く類いのものなのだろうか。
 だが、研究員に言われたのだから絶対命令であり、ターゲットを倒すミッションは必ず成功させなければいけない。
 アーミィは、十分に間合いをとりながら、ターゲットに近づいた。
 化け物のような標的は、想像以上に鈍重で、こちらの存在には全く気付いていない。
 それでも、まずは様子を見た方が良いだろうと思い、アーミィはターゲットが向かう先にあるビルに先回りして、外付けの非常階段を駆け上がった。
 3階の高さでビル内に入り、窓を開けてターゲットを見下ろす。
 のろのろした動きに狙いをつけるのは、いとも簡単な事だった。手榴弾のピンを抜いて、投げ付ける。窓から首を退くと、間もなくして爆発音が響く。
 慎重に窓から顔を出してみると、ターゲットは沈黙して、その場に停滞していた。
 直撃であったと思われる箇所は、ぶすぶすと煙が上がっている。
 致命的なダメージとは思えないが、死んだのだろうか。
 知識内にある生物なら、どの程度の殺傷になれば死に至るか大体は知れている。しかし、想像を絶するような見た事もない生物が相手では、全く見当もつかない。
 何の反応も無いまま、数分が過ぎた。
 アーミィはライフルを構え、ターゲットの身体の中心辺りに銃口を向ける。
 乾いた音とほぼ同時、狙った通りの場所に、弾丸が食い込んだ。
 血とは言い難い、青い蛍光色の液体が吹き出す。
 確かなダメージである事は、液体の量から解るものの、それでもターゲットに何の動きも無かった。見た目の不気味さとは相反して、生命力の強い生物ではないのかもしれない。
 ターゲットの一部を持ち帰るように言われていたのを思い出し、アーミィは一階に降りて、動かなくなった生物に近づいた。
 近くで見れば、増々気味が悪い生物だった。
 視覚や聴覚に使われていそうな器官らしきものは無く、僅かに湿り気のあるごつごつした表面が広がっているだけの皮膚。
 虫のような足は、かなり堅い外殻らしい事が見た目ですぐに理解できた。とても一部だけ持ち帰られるようなものではない。
 アーミィはサバイバルナイフを取り出して、ぎゅっと握りしめた。
 ごつごつした皮膚に、刃先を突きつける。
 その瞬間、ごつごつとした皮膚の山いっぱいに、大きな目が開いた。
 …いや、一瞬目だと思ったのは、人間の顔だった。たくさんの顔。その顔たちは、見覚えのあるものばかりだった。
 6区の、自分が倒してきた、アーミーたちの顔。
 その顔が、一斉に、アーミィを虚ろな眼差しを浴びせている。
 
 我々の地区よりも酷い事をしてるんじゃないか?
 
 研究員の言葉が、頭に響いた。
 みんな、何故こんな事に。
 今まで戦って生き残ってきたのは…。
 こんな姿になる為に、強くなってきたんだろうか。
「っ…」
 サバイバルナイフを持った左手首が締まる感覚に、アーミィは動かない身体のまま、何とか目だけ動かして、自分の手首を見た。
 腕…だろうか。
 木の皮のようにゴツゴツとした表面に、鉄骨やコードなどの配線が所々に剥き出しになっている。全体的な形こそ腕のように見えるが、人の腕と言うには程遠いものだった。
 それが、手首を強い力で掴んでいた。
「オマエモ…、コッチヘコイ…」
 声というよりは、音に近いような言葉が聞こえた。
 ぞわり。
 全身に鳥肌が立つような悪寒。爆発しそうなくらいに動く心臓。
 逃げろ、逃げろ…と、心の中で叫んでも、身体は固まったまま、時間を忘れたかように動けなかった。
 腕のようなものは、1本、また1本と生え、次々に身体を掴んでくる。
 アーミィは、力の限り叫んだ。
 視界が、段々と白く染まっていった。
 
 
 
 
 
つづく