">

TOOL 12

 ジェノサイドの考案により、グラビティは何事も無く、7区に戻れた。
 ホリックとか言うヤツの上で寝転がっていたせいで、あちこち身体が痛い。アイツの身体は、何であんなに硬いんだろうか。
 白くて広い部屋は、沢山のケージが並んでいる。まるで図書館の本棚のように高く積んである。
 その中に、一体ずつ潜む生物。
 動物と言うには人間に近く、人間と言うには動物に近い生き物たち。中には、明らかに異常な姿をしたものもいる。
 ケージの中で暴れるもの、奇声を上げるもの、動かないもの。…死んでいるものもいるだろう。
 そんなケージのひとつの中に、グラビティは戻された。
「なぁ、エレクトロ。オマエは、退屈じゃねぇのかよ?」
 狭いケージの中で、クラビティは寝そべったまま、エレクトロに声をかけた。
 声をかけたと言っても、自分の耳に入っている、エレクトロとの通信機にだけど。
“退屈?”
「だって、オマエよぅ、ずっとその部屋で座ってるんだろ?」
“うん。でも俺は、退屈という事がどういう感情から生まれるものなのか、解らない”
「ああしたいとか、こうしたいとか、そんな風に思わねぇのか?」
“解らない…”
「まぁ、いいけどよ」
 グラビティは、話しを止めた。
 エレクトロを悩ませてしまうと、いつもやっているという、演算処理とかいうのが遅れて困るだろうし。
 エレクトロは、こちらから話し掛けなければ、何も言わなかった。そして、この施設のことの質問にも、答えてくれないことが殆どだった。
 だからグラビティは、時々だが他愛のない会話をエレクトロにしていた。
 エレクトロは解らないだとか、そういう命令はされていないとか、答えることが多かったけど、それでも少しは嬉しそうに言い返してくれるから、きっと話をするのが楽しいんだと思う。
 グラビティにとっても、今までの苦痛なまでの退屈な時間を過ごすよりは、ずっとずっと楽しかった。
 グラビティは、数分くらい間をおいて、また話し掛けた。
「なぁ、ここにはさ、どれくらいのヤツがいるんだよ?」
“長く『TOOL』に居る者か? 能力値の高い実験体の事か? それとも、『TOOL』の総人数の事か?”
 グラビティの言葉の足らないせいで幅広くなる問いを、エレクトロはいつも正しく答えようとしてくれる。
「数だ、数。研究員じゃねぇヤツの数だ」
“今現在、未登録の実験体もいるし、死亡したが未報告の実験体もいる。正確な数は解らないが、約632万体だ”
「ふーん」
 グラビティは、万の単位の数がよく分からなかったけど、とりあえず、とても多い数であることは勘付いた。
「その中で、逃げ出そうとしたヤツは?」
“グラビティも含めて2410体だ”
「ここから出られたヤツは?」
“0だ”
「あー、そう…」
 0か。と、グラビティは小さく呟く。その可能性の全く無い数に、グラビティは目を伏せて、大きく息を吐いた。
 それだけ、エレクトロが完璧なんだろう。
“でもグラビティは、俺が『TOOL』と一体化する前に、あと少しの所まで逃げられたんだろう?”
「あぁ」
 グラビティは、目を閉じる。
 この施設の外を、見た事があった。出口から見えた外の世界は、冷たい灰色なんかじゃなくて、キレイで、手の届かないくらい広い水色の天井だった。その天井は空という名前だということを、誰かから教えてもらった。
「キレイだったぞ、外の空」
 エレクトロには見えていないかもしれないけど、グラビティは、にんまりと笑顔を浮かべた。
“俺は、グラビティのその脱出の日から、数日経たない内に『TOOL』を任された。もし、俺が『TOOL』と一体化していなかったら、グラビティは今頃、『TOOL』から出てたかもしれない”
「よせよ。それはオマエのせいじゃねぇ。オレが逃げ出そうとしてるから、オマエが色々と大変になったのかもしれねぇしな」
“グラビティ、俺は…”
「うん?」
 グラビティは、エレクトロの声が曇っていくのを感じた。
「どうした?」
“すまない。通信を中断する…”
 そう言い残して、エレクトロの声はぷつりと切れた。
 グラビティはきょとんとして、目をぱちぱち閉じる。
 いつもの演算処理が遅れるとか言うのなら、エレクトロは少し待っててくれと言うのに。
 何だか、嫌な予感がした。
 寝返りをして、身体を横にすると、格子の間から、隣のケージの実験体が見えた。皿に入っている餌をボリボリと食べている。こちらと目が合うと、その実験体はふいっと顔を逸らした。
 グラビティは身体を起こした。
 行くか。エレクトロの所へ。
 何があったのか知らないけど、このままじっとしていても、心配で落ち着いていられない。
 段々とケージの造りが頑丈になってきていたけれど、グラビティにはどうという事も無い。
 ただ、潰して壊すだけ。
 偶然なのか、神様とかいうヤツが味方してくれたのか、グラビティは他の者とは違う特殊な能力を持って生まれた。
 自分と、自分の視界に入るモノに掛かる重力を操れる。
 あらゆるモノを、羽根よりも軽く、鉄槌よりも重く。
 この力を使って、今まで何度も逃げ出そうとしてきた。物を壊したし、研究員だって殺した。
 かなりの問題児であるにも関わらず、研究員が手放そうとしないのは、やはりこの力を欲しているのかもしれない。
「冗談じゃねぇ…」
 無意識に呟いた。
 鉄くずになったケージを蹴飛ばして、部屋の出口に向かう。
 ケージの外を歩くグラビティを見て、怒鳴ってきた実験体もいるが、グラビティには何を言っているのか分からなかった。
 身体に流れる血液と同じ色をした瞳で睨みつけてやる。
「うるせぇ。潰されたくなきゃ、大人しくしてろ」
 そう短く言い放って、通り過ぎた。
 ふと、あの薄緑色の液体の入ったガラスの筒が目に入った。
 ガラスの筒の中で、指先くらいの大きさだった小さな物体は、今は握り拳くらいの大きさになっている。成長が異常に早いらしい。
「おっきくなったな」
 聞こえているかどうか分からないけど、胎児に声をかけてみる。やっぱり、何の反応も無く漂ってるだけだった。
 グラビティは無彩色の廊下に出ると、体中の神経を研ぎ澄ませた。
 研究員は実験やら会議やらで滅多に通路には出ないが、それでも全く遭遇しない訳では無い。
 たった1人にでも見つかれば、あっと言う間に数十人になる。
 特に自分は頻繁に逃げ出すものだから、その人数も捕獲手段も大掛かりになっていた。
 足音を立てないように、素早く走る。
 向かう先はひとつ。
 施設の中枢部。エレクトロのいる部屋。
 廊下の監視カメラに、きっと自分は映っているだろうけど、警報が鳴らないのは、多分エレクトロのお陰だろう。
 グラビティが廊下駆け抜け、その先を曲がろうとしたその時、見覚えのあるヤツと鉢合わせになった。
「やぁ、また会ったね」
「テメェは…」
 研究員とは全然違う、奇妙な姿のコイツは、確かホリックと呼ばれていたヤツ。
「テメェ、またエレクトロの所に行く気かよ?」
「そう言うキミこそ、エレくんの所へ向かっているようだがね?」
 ホリックはふふっと笑い、わざとらしく肩を竦めた。
 この余裕の態度が、何だか腹立たしくて、グラビティは異常に発達した犬歯をギリリと噛み合わせた。
「黙れよ。テメェと付き合ってるヒマはねぇんだよ。…どけ! 潰すぞ!」
「ハハハ。ボクは暴力は反対だよ。キミに壊されては、またマスターに迷惑をかけてしまうからね。マスターは、ああ見えて忙しい人だから」
 ホリックは手をひらひらさせると、グラビティの後ろを指差した。
「ボクはこれから、12区から来たツンケン蝙蝠と怪力鷹の世話をしに行くから、エレくんの所へは行かないさ。キミはエレくんと仲良しで、正直妬けてしまうがね」
 腕組をして、ホリックは深呼吸するように肩を大きく上下させた。実際、呼吸している気配はなかったけど。
 グラビティは、そんなホリックの横を素早くすり抜け、ある程度距離をおくと、ホリックの方へ振り返った。
「オレが逃げ出したって、チクらねぇのかよ?」
「ハハ、報告して欲しいのかい? 7区の実験体が逃走しても、ボクには関係ないさ」
 他人事のように笑って、ホリックは手をひらひら振る。
「今の時間帯なら、研究員は滅多に部屋から出ない。エレくんの監視から免除されたキミなら、すぐにエレくんの所へ行けるよ。…では、御機嫌よう、重力蜥蜴くん。キミを縛る“鎖”には気を付ける事だね」
 ホリックはそう言い残して、振り返りもせずに歩き去って行った。
「ヘンなヤツ」
 グラビティはふんと鼻を鳴らすと、エレクトロの所へ走り始めた。
 
 
 
 
 
つづく


ピンキー改造

ピンキー改造で、友人に士朗とギガデリックを作りたい。自分にtraces男神を作りたい。
そんな想いだけで始めてみました。
初心者の製作なので、慣れっこの人には、酷く退屈なページです。
 
 
初めてのピンキー改造。目的は、DJ士朗。
何となく、士朗っぽいパーツを集めて組み立て。
ポニーテールのリボンは、外します。士朗は、男の子なので(笑)
 
ピンキーのバラ売りでパーツを買ってみたり、セット販売のを寿々ちゃんと物々交換してみたり。
恐ろしい事に、前髪に使おうと思っていたパーツがレア物なのか、お値段がお高い。前髪だけで! 私が当時に買った時の数倍のお値段です(汗)
高くて買えない。しかも、お気に入りなので、このまま使うワケにもいかず…。
ポニーテールも、バラ売りには無かったモノです。
そこで、複製にチャレンジしてみようと思います。

 
 
お手軽に複製できるらしい『おゆまる』。
100円均一店ダイソーの、ファンシーグッズコーナーの辺りに置いてあります。
10袋くらい大量に購入。
使い方は簡単。
お鍋に水を入れて、お湯を湧かして、その中に2~3分くらい入れるだけで、柔らかくなります。
 
隣に、同じような商品で、消しゴムが作れるというモノがあり、気になったのですが、流しました。
ガンケシとかキンケシとか、あんなのが作れるんだろうか。興味はあります(笑)

 
 
『おゆまる』を湯に2~3本入れて柔らかくし、軽く水気を拭き取って、それをこねて固まりに。
パーツを押し込んで半分くらい埋めます。髪の毛の間などの細かい所もしっかりと埋まるように、そして埋め過ぎないように。
パーツを良~く見ると、小さく薄いスジが、グルリと一周してあると思います。製造の型で作った時の痕なんですが、それに合わせるように埋めると良いのかもしれないと思い、そうしてみました。
『おゆまる』が冷えて固まってきたら、再び鍋の水を温めて、新しい『おゆまる』を2~3本入れます。
それを丸めて、端の方から押し付けるようにドッキングさせます。隙間や、気泡が出来ないように、しっかりと。
冷えるまで放置。・・・が、我慢出来なくて、流水で粗熱を取ってみました。

 
 
『おゆまる』が冷めたら、分解。
初めての事なので、すごいドキドキでした。ミチミチミチッ…って、音が、ね。恐かったです(笑)
少しくっ付いていて、分解し辛かったのですが、ハンドクリームを薄く塗っておくと、少しだけ分解しやすくなるみたいです。
冷えた『おゆまる』は、思っていたよりも丈夫で硬かったです。

 
 
型が出来たので、さっそくパテを入れてみます。
欲しかった『ウェーブ・エポキシパテ[軽量タイプ]』が売っていなかったので、こっちのTAMIYAパテを使う事にしました。
 
粘土みたいなのを2種混ぜて使うらしいです。
…しかし、これが硬い!
パテって、こんな硬いんだろうか。
いや、『おゆまる』が柔らかくて扱い易いんだろうね…(笑)
2種を混ぜるだけでも、結構な力仕事。
何度も千切るようにして混ぜると、比較的に楽に混ざる事を発見(笑)
端の方から型に押し付けるように、びっちりとパテを押し込みます。
もう片方の型にも、びっちりと押し込んだら、次は合体。

 
 
本日一番の難所!
パテが硬いので、入れてる量が少しでも多いと、型が合わさりません!(汗)
少しづつ減らして、なるべく合わさるように頑張ったのですが・・・!
昔から握力の低い私には、かなりの重労働。
ついにはサランラップで包み、全体重で踏んでみたのですが、それでも・・・。
 
隙間が空きました(涙)
まぁ、初めてなので、所詮はこの程度。

 
 
型から、取り出し。
パテが固まったみたいなので、取り出してみます。
ゆっくり、壊さないように気を付けてましたが・・・「ペキ…」と、非常に嫌な音が。
ヤベー!…と思いましたが、取り出してみても、損傷箇所はありませんでした。ホッと安心。

 
 
写真では見えないのですが、細かい凹みが結構あります。やはり、小さな気泡が入っていたらしい…(汗)
しかも、前髪の毛先にまで、パテが入ってなかったらしく、毛先が短いです…。
あんなに、慎重にやたのに…! OTL
まぁ、初めてなんて、こんなモンですよ。
ポニーテールの方は、上手く毛先まで入ってました。
気を取り直して、作業を再開。

 
 
型からはみ出た余計な部分をカッターで荒削り。
ザクりザクりと削れる感覚です。
硬い割には、削り易いみたいです。
どうやら、隙間が2ミリくらいあったらしく、前髪が厚めになりました…(苦笑)
しかしながら、なかなか原物と似ています。
毛先が短いのが気に入らないので、毛先にパテを追加してみようと思います。

 
 
毛先にパテを追加してみました。
気泡の所為で出来た凹みにも、パテを埋めてみる。
ついでに、後ろ髪の型にも、パテを詰めました。
この時に知ったのですが、パテはストーブの近くで少しだけ温めると柔らかくなるみたいですね。
前回は作業場所が寒い台所だったので、気付かなかったです(笑)
 
パテが固まったら、次の作業に入ります。

 
 
前髪の形を整える。
コンビニで買ったカッターと、100円均一で買ったヤスリを総動員で、形を綺麗に仕上げます。
・・・まぁ、人には、限界というモノがありますゆえに…。
私は、これが限界です。
微妙に、原形と形が違ってますが、御愛嬌。
前髪はこれで良しという事で。

 
 
お次はロングコート。
まぁ、こんな感じかなー?…というように、適当に盛り付けてみました。
…ちょっと厚いかも。
後ろ髪は、複製に失敗してしまったので、原物を使う事にしました。
ボリュームのあるモノの複製は、初心者には少々難しいようです。
私が不器用なだけかもしれんけど。
塗装は、100均で売っている除光液で、ひたすら擦り落としました。

 
 
士朗は男の子なので、ついでに胸も削っておきました(笑)
コートのパテを盛る時に、下半身とぶつかって合体できなくなってしまうと、元も子も無いです。
下半身や腕の、パテを付けない箇所に、サランラップを巻いて作業すると余計な所にパテが付着しなくて済むみたいです。
 
・・・私は、後から知ったので、腕にパテが付きました…。取るの大変でした。 OTL

 
 
硬化したので、荒削り。
削る場所を描いておくと、迷わずに削っていけます。
…線書きに迷いがあったみたいですけどね!(笑)

 
 
削ってパテ盛っての繰り返し。
腕が邪魔なので、切り落としました。
…その途端に、作業が快適に進むようになりました!
これは楽ちん。
腕は後で接着剤で付けます。

 
 
サーフェイサーというモノを吹き付けます。
これをやると、小さな凸凹をある程度は解消してくれるそうです。
2~4回くらい、吹き付け。
 
しかしながら、大きめの凹みは、なかなか埋まらない。
そこで、新聞紙のサーフェイサーを吹き付けて、それを針の先ですくって凹みに埋めていくという地味な作業をしてみたり。
こういう事をするのに使う、『溶きパテ』というモノがあります…。
あの時に買っておけば良かった…!

 
 
一応、合体させてみる。
この時、ロングコートの内側がズボンに当たって、合体できなくなってました。
多分、サーフェイサーの厚みの所為だと思われます。カッターやヤスリで削り直しました。
 
アクリル絵の具で、目の下にペイント、ズボンを少し暗い灰色に塗ってみる。
100均にも売ってるんですね、アクリル絵の具。
絵の具なんて使うの、何年ぶりでしょうか…(汗)

 
 
髪にも色塗り。
3回くらい重ね塗りしました。
灰色に、ほんのり青を入れたら、士朗っぽい色になって満足(笑)
 
外から見えない箇所は着色しなくても大丈夫だと思うので、その場所をクリップとかで挟んで、割り箸に刺しておくと、作業が楽かもです。

 
 
アクリル絵の具が乾いたら、トップコートを吹きます。
これも2~4回くらい、吹き付け。
つや消し、半光沢、光沢の3種類があるのですが、つや消しのを使ってみました。
う~ん。髪の毛は反光沢か光沢のを使った方が良かったのかなぁ。髪の質感が上がったかもしれない。
 
・・・部屋の中で使うモンじゃないですね…。
ヒドイ香りです…。

 
 

はい、完成しました~!
初めてにしては、なかなか上出来なのではないかと自負しちゃいます(笑)
愛らしさの中にも精悍さがある雰囲気ではないでしょうか(親バカ)
ピンぼけ気味で申し訳ない…。
 
 
護送用。
この状態で、友人の火ーちゃんへと嫁いで行きました(婿?)
ちょっと窮屈そうな困ったような顔してたので、撮ってみました(笑)
可愛いじゃないか!(親バカ)
達者でな、士朗。火ーちゃんに可愛がってもらえよ(笑)

 
■ピンキー改造・士朗 終了
2007/03/01


ギガデリックは、前回の士朗よりは簡単かもしれません。
…気がするだけですけど。
何となく、ギガデリックっぽいパーツを集めて組み立ててみる。

 
 
我が家のギガデリックはフードが付いている服だと妄想してるので、フードっぽくパテを付けてみる。
さつま芋の形に練って、襟回りに付けただけですが、なかなか良い感じになったと思います。
ついでに、カッターで胸も削って、ズボンの余計な所も削り落としました。

 
 
前髪が短い…と、気になっていたので、ピンキーバラ売りのレイ前髪を購入。…やはり、お値段高い…(汗)
モミアゲを減らせば、いい感じになるかと。
失敗したくない金額のモノなので、おゆまるで複製します(苦笑)
この感じの前髪くらいなら、不器用な私でも、比較的成功率が高いです。

 
 
複製完了。左右のモミアゲを1本に。
猫ミミのようなアレを掘って、耳らしさをアップ(笑)
 
溶きパテを使用してみました。
いやはや、すごい便利!
小さな凹みやカッターで削り過ぎた所に、爪楊枝で突くように溶きパテを付けて、ヤスリで撫でるように軽く削ると、とても綺麗に仕上がります。
こんなに便利なら、士朗の時にも使っておくんだったなぁ…(苦笑)

 
 
下半身の準備。
スリッパを削って、裸足っぽくしてみました。これに、半ズボンのを組み合わせます。

 
 
組み合わせてパテ盛って削って色塗って。
上半身にも着色。線がフルフルしてますけど、気にしない!

 
 
猫ミミ仕様(笑)
猫ミミは、まだ荒削りです。
前髪に元々付いていた猫ミミのようなアレは、削り落として、脱着可能の耳と尻尾にしてみました。
うずしおの趣味で黒猫の予定です(笑)

 
 
猫ミミミと尻尾は、ラミネートフィルムを素でラミネーターに通して、それを切りパテをくっ付けて作ってあります。
猫ミミは前髪のハメコミ部分を通す穴、尻尾には下半身のハメコミを通す穴があります。多分、他のピンキーにも装備できるかもしれませんが、ギガ専用に作ってるので、微妙に合わないかも…?(笑)

 
 
帽子の作成開始。
頭に直接パテが付かないようにサランラップを巻いて、その上にパテをもりっと盛り付け。
大まかな形にしておきます。

 
 
カッターやヤスリで形を整えます。
ちょっと歪んでますが、気にしない方向で。
帽子のツバ部分は、別に作って、アロンアルファで付けました。
少し空いてしまった溝には、溶きパテを詰めて隙間を埋めてあります。

 
 
着色して帽子完成。
細かい英文字は鉛筆で下書して、マッキー極細で書いてます。

 
 

ギガデリック完成!
なかなか良い感じに仕上がったかなー。
士朗と同じ顔なのに、ちょっと生意気そうな顔な気がします(笑)

 
 

黒猫仕様(笑)
あーもー、可愛いな!!(親バカ)

 
 
ギガは、鈴甘ちゃんの所へと旅立ってしまうので、ウチの子・プラズマがお見送り。
元気でな…。

 
■ピンキー改造 gigadelic少年 終了
2007/06/14


士朗やギガの難易度を、遥かに上回るであろう事は覚悟できたので、製作開始。
我が家のトレイシスは鳥脚なので、まずそこから。恐竜の骨のプラモデルの脚にパテを盛って、鳥らしくしてみる。

 
 
荒削りまで出来たら、ピンキーのパーツと合体。
ヤスリをかけて、表面を滑らかにします。

 
 
尾羽根!
これは絶対に必要だろうと思い、パテを板状に固めて、尾羽根のように削りました。
左右の飾り羽は細いので、折れる事を想定して、他のフィギュアのパーツを付けました。

 
 
翼をどうつけるか、散々悩み、後ろ髪に穴を開けて挿す事に。
翼は、秋葉原を歩き回って良い感じのフィギュアを見つけてきました(笑)

 
 
上半身。
既製品に少し改造した程度。これは簡単!(笑)

 
 
東京銘菓ひよこ・・・ではなくて、兜の元を横から見た感じ。
キャスケットの帽子に、パテを盛ってあります。

 
 
上半身の周りにあるような、何か鉄っぽいヤツ。本体にサランラップを巻いてパテを盛り、それを削って作りました。

 
 
おおまかな形にして、彫る下書を。シンメトリーは超難関だと思う…。

 
 
兜の大きな角。これは、始めにひとつ作って、それを複製してあります。
微妙にズレた所は、ヤスリをかけたり、パテを付けたりして修正。

 
 
第二の難関、前髪。丁度いい前髪が既製品になかったので、パテを彫りました。
なかなか違和感無く仕上がったかと思います。
兜も細かい所を付けたり彫ったり。

 
 
はい、着色!
兜にはメタリックシルバーの色をベースに使ってます。
黒い布でマント付け。
これで完成!

 
 

どの角度から見ても可愛い…(親バカ)

 
 

他のピンキーよりも、高さも幅も大きいです。
でも、ベース無しでも立てるバランスの良さ(笑)

 
 
バラすとこんな感じ。

 
■ピンキー改造 traces男神 終了
2007/10/25


弐寺ドット絵

ドット絵いろいろ
 

2005/11/25
カウンター用。
テーブルタグを組んでゲーム画面っぽく表示していた。


2006/06/11
カウンター用。


2008/03/17
カウンター用。


2004/05/26 2006/02/14 2006/08/03
traces。
鳥足なのはうずしおの趣味。


2004/05/21
シロロ。


2005/04/24
gigadelicの少年。
ものすごい頑張って作った。
格ゲー意識してみたんだけど、分かってくれた人がいて嬉しかった。


2006/08/18
嘆きの樹のヤツら。


2007/10/24
traces男神女神。
当サイトのメニューに使っていた。とてもお気に入り。


ダークな絵描きさんに50のお題

妄想全開のA・traces・タント。
流血表現・女体化などあるので、ご注意。
↓お題はこちらからお借りしました。

http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Brush/6406/darke.htm
(すでに閉鎖してしまったようです)
 
 
2006/03/16
お題1:バラバラ


2006/03/24
お題2:いらないもの


2006/04/01
お題3:腕が


2006/04/07
お題4:ぬいぐるみ


2006/04/14
お題5:悪魔




2006/04/21
お題6:ロリ


2006/04/29
お題7:奇形


2006/05/13
お題8:囚われの人


2006/05/13
お題9:拘束


2006/05/20
お題10:したたる。


2006/05/26
お題11:びんづめ


2006/06/03
お題12:実験


2006/08/04
お題13:黒いトリ


2006/11/25
お題14:死


2006/06/26
お題15:HIV


2006/06/26
お題16:白いリボン


2006/06/26
お題17:千切れる


2006/06/26
お題18:見世物


2006/06/26
お題19:割れたガラス


2007/10/20
お題20:包帯
-ここまで完成で企画打ち切り-
 
お題21:地下道
お題22:吸血鬼
お題23:刃
お題24:鎖
お題25:ピアス
お題26:体液
お題27:一人ぼっち
お題28:雨
お題29:気が狂う。
お題30:あなたの寝顔
お題31:彼岸花
お題32:義眼
お題33:標本
お題34:双子
お題35:自慰
お題36:眼帯
お題37:憎い
お題38:喪服
お題39:吊られる
お題40:無音
お題41:売春
お題42:半陰陽
お題43:鏡の中
お題44:毒
お題45:死刑
お題46:暗闇
お題47:自傷
お題48:少女
お題49:少年
お題50:かべの向こう


TOOL 11

「暇!」
 部屋に響く、短くも素直な不満の大声。
 その声に、主人の怒りがぶつかってくるのではないかと、緑色の目玉型メカがビクリと動いた。
「あー、つまんね」
 ギガデリックは、ぷぅとほっぺたを膨らませて、ベッドの上で寝そべりながら、足をバタバタさせた。
 ジェノサイドに6区から連れ戻されて、今に至る。
 あまり外出しちゃダメだよ…と、ジェノサイドに念を押された。
 押されたが…。
「知るかっての!」
 ギガデリックは、がばりと勢い良く起き上がった。
 知りたい事が、いっぱいあるのに、じっとしてなんかいられない。
「…ジェノ兄が何も教えてくれねーから、悪いんじゃん」
 なぁ?…と、目玉メカに向かって同意を求めると、目玉メカは、返答に困ったように、くるりと横回転した。
「出かけるぞ」
 ギガデリックはベッドから下りて、灰色の冷たい廊下へ向かった。
 
 静かな廊下。
 人の気配が無いと言うよりは、死んだように静まり返った無気味な空間。
 高くも無い天井に点々と続いている蛍光灯が薄暗く、足下を照らす常夜灯が冷たい色の光を放っている。
 どうやら、今は夜らしい。
 外に出してもらえず、外を眺める窓すらも無い環境で、時間はすっかり時計の数字任せだった。
 だけど、ギガデリックは、そんな時計任せの生活が不安に思えていた。今、本当に外は夜なんだろうかと疑いたくなる。
 いつも同じ温度に保たれたこの施設の中は確かに快適だけど、陽光の暖かさも、雨に打たれる心地よさも、そよ風の爽やかさも感じられない。
 幼い頃から、当り前だった世界が、何だか遠くの世界のように思えるようになってしまった。まだ、この施設に来て、1年も過ぎていないのに。
 この施設にスカウトされて連れて来られたものの、その目的もイマイチ分からない。
 心に引っ掛かるものを感じながら、ギガデリックは、その気持ちが何なのか言葉にもできずに、ずっと黙って押し殺していた。
 だからこそ余計に、何でもいいから、知りたいのかもしれない。
 何でもいいから、知れば、きっと何か変わるような気がする。それが、良い方向なのか悪い方向なのかは分からないけど。
 何かを知るには、きっと第2区にいる管理者とかいうヤツに会う必要がある。これだけは、確信していた。
 それと、もうひとつ。
 研究員の目的が終わったら、この施設を出て、自分の両親に復讐をしなければならない。
 この能力を理解してくれなかった両親を、この能力で。
 ギガデリックは、大きく息を吐いた。
 自分の後ろを、ふわりふわりと一定の距離で着いて来ていた目玉メカが、ピクリと動く。その普通の人間では聞こえない電子の声の電波を、ギガデリックは聞き取った。
 前から研究員が歩いて来るらしい。
 薄暗い廊下の20メートル先は、暗闇で見えなかったが、そのまま歩き続けると、やがて白衣が浮かび上がるように見えてきた。
 夜勤というわけでもなさそうだが、研究員は疲れたような無表情の顔で、じっとギガデリックを見詰めながら近付いて来る。
 殆どの研究員が、同じ雰囲気だった。どうしてあんな目で見るのだろう。自分のもつ特殊な能力に恐れているような目では無い。かといって、頼りにしているような目でも無い。声をかけてくるわけでのないのに、お互いの身体がすれ違うまでじっと見てくる。
「ムカツク」
 すれ違った研究員に聞こえるように言ってやったが、研究員は何事も無かったように、そのまま過ぎ去って行った。
 その態度にカッとなって振り返ったが、目玉がふわりと動いて視界を塞いだ。主人を思っての行動だった。
 研究員に手出ししてはいけない…と、散々言われているのを思い出す。
「…解ってるっつの!」
 荒々しく言って、ギガデリックは再び廊下を進む。
 宛も無く進み、いつもは通らない階段を下りてみた。下の階も、同じような廊下が続いていて、ギガデリックは、更に階段を下りた。
 その下の階も、そのまた下の階も同じ。
「何階あるんだよ…。メンドクセ」
 ギガデリックが口をへの字に曲げて、あからさまに苛立ちの表情を浮かべ始めた頃、その階の廊下で人のすすり泣きが聞こえた。
 その泣き声を聞いて、ギガデリックは表情を苛立ちから興味へと変えた。
 階段の踊り場から、廊下へ入ると、2つ先の部屋のドアが半開きになっていた。どうやら、泣き声はその部屋かららしい。
 普通の人だったら、こんな薄暗い夜中にすすり泣きが聞こえたら、少しながら恐怖を感じるかもしれないけど、ギガデリックは心霊現象は完全否定派だった。
 機械を操れるのは、心霊現象に近いんじゃないの?…と、ジェノサイドに言われた事もあったけど、それとこれとは別。
 ギガデリックは臆する事無く、部屋を覗く。
 部屋の中には、部屋の隅っこで、常夜灯だけに照らされたピンク色の少女が座っていた。肩を震わせて、声を抑えるように泣いている。
「なー、何で泣いてんだ?」
 近付いて声をかけてみると、少女はびくっとして顔を上げた。その顔が、思っていたよりも可愛らしく幼い顔で、ギガデリックは言葉に詰まった。
 少女の方も驚きの顔を見せていたが、ふっと顔を赤らめて、今度は、わぁーっと泣き出した。
「な…何だよ! オレが泣かしたみたいに泣くんじゃねーよ!」
 いくら怒鳴っても、少女は大粒の涙を零すばかりで、話にならない。
「泣くなっつの! ウゼーな…。オレ、何もしてねーじゃん。オバケじゃねーんだから、怖がんな」
 何を言っても変わらず泣く少女に、怒りを通り越して困惑してきた。
「くそー、何だっての。…オマエ、何?」
 声の大きさを下げ、ゆっくり話してみると、少女の泣き声は元のすすり泣きくらいにまで、落ち着いた。
 良く見れば、少女の足には足枷が付いていて、近くの壁に繋がっている。
 コイツは実験体か…と、ギガデリックは思った。実験体は、どんな能力があるか解らないから、不用意に近付くのは危ないと、ジェノサイドに言われていた事を思い出す。人の姿をしていても、危険な実験体だっているらしい。
 少女は、ひとしきり泣き終わったらしく、腫れた目で見上げて来た。
「あ? 何だよ」
 ギガデリックが首を傾げると、少女は目を丸くした。
「あなたこそ、だぁれ?」
「オレは、ギガデリックってんだけど」
「わたしね、サン・ホライゾン。ごめんね、せっかく来てくれたお客さんなのに、ここには紅茶もおかしも無いの…」
 少女は、申し訳なさそうな顔をする。
「お菓子? なら、オレのやるよ」
 ギガデリックは、傍に浮いている目玉メカを軽く叩いた。目玉メカの天面に穴が開き、ギガデリックはそこへ手を入れると、クッキーの入った袋を出して、少女に渡した。
「わたしに?」
「うん、食っていいぜ」
「ありがとう!」
 少女は万遍の笑顔でお礼を言い、大事そうにクッキーの袋を受け取った。
「お前、何で泣いてたんだ?」
 ギガデリックは、少女の前に座って、少女と同じ目の高さで質問する。少女は両手を床に付け、身を乗り出すように顔を近付ける。話がしたいらしい。
「わたしね、寂しかったの」
「寂しい?」
「うん…。いつもね、ここにいるの。時々、研究員さんが、ご飯を持って来てくれるだけなの」
「ふーん。部屋から出してもらえねーの?」
「出ると、怒られちゃうから…」
「オレも好きじゃねーな、研究員。ムカツクし。どっちかっつーと、キライ」
 ギガデリックがわざとらしい嫌悪の表情を浮かべると、少女はクスクスと笑った。そのあどけない笑顔は、危険な雰囲気は全く無いし、攻撃してきそうな実験体には見えなかった。
「ねぇ、ギガデリックくんは、わたしと同じ力を持ってるの?」
「んー?」
 少女の問いに、ギガデリックは、パチパチと瞬きをする。
 少女は、ギガデリックの傍に浮いている、目玉メカを見詰めた。
「わたしもね、物を浮かせられるの」
 そう言って、少女はギガデリックから貰ったクッキーの袋を手に持つと、ふわりと上へ投げた。
 すると、袋はゆったりと空中へ浮いて漂い始める。
「おー! スゲーじゃん」
 ギガデリックは感嘆の声を上げた。
 確かに、物を浮かせる能力があるらしい。けれど、ギガデリックの能力では、本来浮かぶ機能の無いクッキーは浮かせる事は出来ない。似てはいるかもしれないけど、違う能力だった。
「んー、でも、ちょっと違うなー。オレの能力は、機械を自由に操れるってトコだからな」
「機械?」
「そ。オレの命令が聞けねー機械は無いんだぜ」
 自慢げに答えると、ギガデリックは天井の蛍光灯を一瞥した。
 時間外の点灯命令に従い、蛍光灯が灯り、部屋が明るくなる。
 少女は眩しそうに目を堅く閉じたが、すごいすごいと、身体を揺らして喜んだ。その様子に、ギガデリックは上機嫌だった。
「ギガデリックくん、探し物してるの?」
「え? 何で?」
 少女の、突然お問いかけに、ギガデリックはきょとんとした。
「わたしね、人の心がわかるの。こう…楽しいとか、悲しいとかの気持ち。ギガデリックくんは、何か探してる。それが、みつからなくて、悲しい。そうでしょう?」
「あー。まー、そんな感じ…」
 ギガデリックは、当初の目的を思い出した。
「きっと、辛いことになるけれど、その探し物は、見つけた方がいいとおもうの」
 少女はにっこりと笑う。
「ギガデリックくんは、つよいから、大丈夫」
 確信を持って言っているかのように、少女の瞳は真剣なものだった。
 ギガデリックは、無言で頷く。少女の言っている事は、何となくだけど、心に響いた。
 それから、ささやかな別れを告げて、ギガデリックは、少女の部屋を出た。少女は、笑顔で手を振りながら見送ってくれた。
「何か、変わったヤツだったなー」
ギガデリックは、再び廊下を宛も無く歩き始めて、目玉メカに向かって言った。
「すげーよな。人の心が分かるとか言ってた。何かさ、オレ、この施設にいれば、普通なのかもな。ここにいれば、機械を操ってても変な目で見られないし、怒られねーし」
 いくら語りかけても、会話にはならないけど、ギガデリックは目玉メカに話を続ける。
「オレさ、迷ってんだよな。この施設で用事が終わったら、帰ってもいいって言われてんだけど、ここから出たら、また親とか周りに変な目で見られんじゃん…。まー、親はぶっ殺すつもりだけど」
 にわかに重い足取りになりながら、話すというよりは、呟きのように小声になる。
「メンドクセーことばっかやらされるケド。ここならオレの能力を否定するヤツなんかいねーし…。オレ、ずっと、この施設にいたい…」
 くるりと、目玉メカが横回転して、その大きな目を細くする。
「あ? 何だよ」
 目玉メカの行動に、ギガデリックは首を傾げた。目玉メカが目を細くするのは、嫌がっていたり怒っていたりの、あまり良くない意思表示だった。
「何がダメなんだっつの」
 ギガデリックの方も、不満の色を乗せた声をあげる。
 目玉メカは何も言わずに、ただ、ギガデリックの後ろで一定の距離を保ちながら付いて来ているだけだった。
 ひたすら歩くと、狭い部屋へ行き着いた。常夜灯の明かりが、無気味にエレベーターのドアを照らしている。
 この施設で、エレベーターがあるというのは、珍しい方だった。他の地区への移動専用機はあるけど、上下に移動するタイプのエレベーターは少ないらしく、ギガデリックもこの施設の中では、エレベーターを見るのは初めてだった。
 どうやら、このエレベーターは下に直通らしく、行き先のフロアは、1つしかないらしい。
「なぁ、このエレベーター、降りるとドコ行くの?」
 目玉メカに尋ねてみると、目玉メカは空中でひょこひょこと跳ねるような動きをする。嬉しいや、楽しいという意思表示だった。
「じゃ、降りてみっか」
 ギガデリックは、エレベーターのドアに電子ロックが付いているのを確認すると、ドアを開けるように念じた。ピピッと小さな音と共に、長方形のディスプレイにパスワードの数列がアスタリスクマークで並ぶ。
 ギガデリックはあらゆる機器へ、キーボードのキーを押すよりも簡単に命令できる。機械は素直だ。命令すれば、実行してくれる。ウソも付かないし。
 重苦しい音を立てて、エレベーターのドアが開いた。
 ひんやりとした空気が、エレベーターから流れ出て足下を通り過ぎる。下の階は寒いのかもしれない。
 エレベーターに乗ると、再び重苦しい音と共にドアが閉じる。低い振動音をエレベーター内に響かせながら、エレベーターは命令通りに深い階層へと降りた。
 数分くらい降り続けただろうか。空気は肌寒さを感じさせ、僅かに耳の鼓膜が張り詰める。
 力の抜けていくような音がして、エレベーターは止まった。
 ゆっくりと開かれたドアの先は、広い空間。消灯時間というのもあってか、向いの壁も見えないその大きな部屋は、鈍い鉄色の壁で囲まれて、無音の空間だった。
 自分の足音すら吸い込まれて響かないくらい広い。大きな装置のような物体が置いてあるらしい。それがあまりにも大きいので、その全貌は見えなかった。
 ギガデリックは部屋を歩きながら上を見上げる。天井は見えない。代わりに、連絡橋がいくつも縦横に通じていた。
 目玉メカが、ふわりと浮かんでいる高度を上げて、ギガデリックの前へ出た。くるりと縦回転して、ギガデリックを案内するかのように先導する。
 ギガデリックはその後を小走りで追い、小さな昇降機に乗った。乗ると同時に、昇降機が上がり始める。ギガデリックが命令したわけではない。どうやら、目玉メカが命令をしたらしかった。
 大きな鉄板に鉄棒の手摺が付いただけの昇降機は、音も無く上へ上へと向かう。
 目線が高くなっていくと、ギガデリックは目を大きくしていった。
 何かの大きな装置かと思っていた物体は、足だった。
 この広い部屋には、巨大な人型ロボットがいる。
 昇降機は最上まで上り詰め、動きを止めた。目玉メカに導かれるように、昇降機を降りて連絡橋を進む。
 連絡橋の真ん中くらいまで進むと、すぐ近くに、この部屋の主とも言える人型ロボットの大きな顔が見えた。
「すげ…、でけーな」
 大きなロボットの顔に手は届かないが、そのあまりの大きさに圧倒されそうだった。
 目玉メカが、ロボットの顔の周りを飛び回る。命令してもいないのに、目玉メカは勝手に増えて、色とりどりの6体となり、踊っているみたいに輪を作った。
「お前、ジェノ兄の…?」
 ギガデリックはロボットに呟いた。
 分かる。この大きなロボットの事が。機器が複雑であればあるほど、人間の感情にも似た、何かを感じる事ができる。コイツは、ジェノサイドに造られたのだと。道理で、同じくジェノサイドに造られた目玉メカたちが、嬉しそうにはしゃぐワケだ。きっと、仲間みたいな関係なんだろう。
 メカのチーフをしていると、ジェノサイドが言っていた事を思い出す。
「こんなスゲーの造ってんだったら、もっと早く教えろっつの。なぁ?」
 ギガデリックは、目玉メカたちに向かって言うと、目玉メカたちは6体同時にくるりと回転した。
「こんなでけーの造って、どーすんだか…」
 そんな事を言いながらも、ギガデリックはジェノサイドを見直した。いつもへらへらとして、頼り無い感じだから、その実力なんて知らなかった。
「コイツ、動くのかな?」
 連絡橋の手摺から身を乗り出して、ギガデリックは巨大な顔を見詰める。しかし、あまりにも大きい所為なのか、どうにも操れる気配が無い。念じるのが足りないのか。
 数分くらいは粘ってみたが、それでもピクリとも動かない。
「無理か…。くそー」
 ギガデリックは大きく息を吐いて、口を尖らせた。
「オイ、帰るぞ」
 楽しそうに飛び回る目玉メカたちに言うと、目玉メカたちはひとつに集まって1固体に戻った。
 目玉メカを連れて、ギガデリックは来た道を帰る。
 ふと、記憶の隅っこに追いやられていた目的を思い出した。
「くそー。2区ってドコだよ…」
 
 
 
 
 
つづく


TOOL 10

 今まで、考えもしなかった事を教えてもらった。
 あの、最初の【アーミー】と名乗った、ミニマという少年に。
 自分は、この施設に無理矢理に連れて来られたのだと言う。そして、施設の外では、双子の兄弟が暮している事も。
 もっと…、もっと色々な事を教えてもらいたかった。
 けれど、代わりの研究員がすぐに来てしまい、アーミィは部屋から出されてしまった。手には、「処分しておけ」と言われて拾い集めた、銃の部品が一式。上官に渡そうと思っていたけれど、これではもう使い物にならないだろうし、処分しろと命令されたのだから、処分するしかない。
 しかしアーミィは、そんな事よりも、気になる事があった。
 自分は、施設の外に居た事がある。
 どうして、この施設に来たのか。
 この施設の事。
 研究員たちの目的。
 何故、自分は同じくらいの歳の子供達と殺しあってきたのか。
 疑問にすら浮かばなかった事が、酷い違和感と共に押し寄せる。
 アーミィはゆっくりとした足取りで、自分の部屋に戻った。
 広い部屋に小さく区切られた独房部屋は、もう自分しか居ない。かつては、この小さく区切られた牢に、ひとりひとり【アーミー】がいた。
 物音ひとつしない部屋に、自分の裸足の足音だけが、軽い音を響かせる。
 アーミィは、自分の番号のプレートが下がっている牢部屋に入り、狭いそこのコンクリートの上に座った。
 処分しろと言われた銃の部品だけれど、どう処分して良いのか解らず、そのまま持って来てしまった。戦闘訓練をしている時は、壊れた銃や使い物になら無くなったナイフを回収班が集めてどこかへ持って行っていたから、自分ではどうしていいのか解らなかった。
 バラバラになった銃を、コンクリートの床に広げてみる。まったく損傷箇所は無く、組み立てる前の状態そのものだった。
 ふと、赤い帽子を被ったギガデリックという少年を思い出す。
 不可解な能力。あんな力を持った【アーミー】がいたら、とても苦戦していただろう。
 良く喋り、表情をころころ変えて。あんなにも先を読まれ易い態度をとっているだなんて、よほど自信があるのか、戦闘をなめているとしか思えない。
 憶測だけれど、戦闘経験は殆ど無いだろう。弾丸を受けた時の処置方法も知らないようだった。
 無警戒な笑顔に、どうしていいのか解らなかった自分。
 今までの自分とは、何かが変わるような気がした。
 長くも無い時間の間に、何かが。
 もやもやとした、曖昧で確定出来ない思考が気持ち悪くて、アーミィは首を振って振り解くように考えるのをやめた。
 研究員か上官から命令が出るまで、何も考えずにじっとしていようと思う。
 また勝手に行動したら、また変な奴と出会ったり、また色々な疑問が浮かんで気持ち悪くなってしまうかもしれない。
 けれど、やはり、居ても立ってもいられなかった。
 嫌に、神経が張り詰める。物音ひとつしない部屋で、身じろいでコンクリートと自分の足が擦れる音だけが耳障りなくらいだった。
 やる事も、やりたい事も無い。
 ただ、時間がしつこいくらいに、ゆっくりと流れていく。
 何度目かになる身じろぎで、銃の部品が足に触った。
 アーミィは、気怠そうに身体を起こし、その銃の部品たちを、手でカラカラと掻き回してみた。
 繋がっていれば人を殺せるくらいの代物ではあるのに、こうしてバラバラになってしまっては、何の役にも立たない無力なジャンクでしかない。
 何の気無しに掻き回していたが、やがてその部品の一部が、本来繋がっていた他の部品と少しの隙間を空けて揃った。
 それを見て、アーミィはその部品同士を手に取り、組み合わせた。
 またひとつ、またひとつ…。
 アーミィはいつの間にか、夢中になって銃を組み立てていた。
 それを止める理由も、止める者もいなかった。
「できた…」
 やがて全ての部品が一つの銃を形成した時、アーミィはぽつりと呟いた。
 肩から力が抜けるような、不思議な達成感。
 バラバラのものがひとつになると、その存在は力強いものになるという事を、アーミィは意識もせずに心の片隅に覚えたような気がした。
 アーミィは銃を握り、いもしない標的に銃を構えてみた。
 再び、ギガデリックの事を思い出す。
“訓練ばっかやってて、知りたいコトなんか、教えてもらってねーんだろ?”
彼の言葉が、突き刺さるように心に響いた。
 考えるのをやめようと思っていたのに。
 もう一度…。
 もう一度だけ、もう少しだけ、ミニマと話がしたくなった。
 話しをして、何をするのか。それは知らない。
 事を知って、どうするのか。それも解らない。
 それでも。
 アーミィは、銃をズボンのポケットに押し込むと、すっと立ち上がった。
 あの部屋へ、もう一度…。
 
 
 
 
 
つづく


弐寺絵まとめ10

2006/12/25
2007年の年賀状絵。亥ギガデリック。
猪突猛進☆ギガデリック!…という友人の言葉を思い出して描いてみた(笑)


2006/09/11
嘆きの樹の黒肌のヤツ。
密かに“今世”と名付けてます(笑)
左下の翼は、下書の段階で描き忘れ。そのまま進行・・・。三枚翼かよ! OTL


2006/08/20
青龍のお姉さん。
美しい月、幻想的な月。




2006/08/19
タント! タント!


2006/06/07
××年前のトレイシス女神。妄想妄想。暫定妄想。


2006/02/11
闇の秤ってば、やはり測るのは罪の重さですかね?
トレイシスは、閻魔大王やアズラエルみたいな、魂の審査の様な仕事してても良いなと思う。


2006/01/08
寿々ちゃん宅に泊まった時に描いた楽書き。
鈴甘ちゃんの服が鎖っぽかったので、それを参考に(笑)
下の方に『tant pis poul toi』って書いてあるけど、気にしない。
友人達に色塗れ言われたケド…。色まで塗るんだったら、もっと丁寧に描かないと、無理だよぉーう!


2006/01/08
寿々ちゃん宅に泊まった時に描いた楽書き。…を、火ーちゃんが楽書きしてくれたモノ(笑)
立ち寝は、鳥の得意技DA!…目ェ、開いてるケド。
火ーちゃんが楽書きしたタント可愛いよ~。