おねむ

日常の雑記 - 日記

弐寺 永久少年 Ⅸ籠 鎖 刺斬ウチのクローン隊、ボスのこと甘やかし過ぎてる。
 
モンスターペアレントではないので、無理難題なことは言わない。
ボス主体に考えてるので、ボスがこうだからこうする…って具合。
Ⅸ籠を抱っこするのは刺斬の役目。
鎖も本当は抱っこしたいんだけど、Ⅸ籠に怖がられてるの知ってるから、ちょっぴり距離置いてる。
怖がられてるのは、Ⅸ籠の憎まれ役を買って出てるからであって、Ⅸ籠は鎖の気遣いに気付けてないだけ。
・・・だったらいいな! ウチのクローン隊はこんな感じだな。


楽しいひと時をいただきました

日常の雑記 - 日記

今日は、あかがねさんと鴉オフ会デート(デート言うな)してきましたー!(*´∇`)
 
人見知りなもので、緊張しすぎて上手くお話できた自信ないけど、うずしおの下らないⅨ籠ちゃん妄想いっぱい聞いてくださって、ありがとうございました!!
他にもたくさんの萌え話できて、本当に楽しかったですvV
弐寺もご一緒プレイしていただけた、えへ♪
くまサブレありがとうございます! 耳がかわいいクマさん(´ω`)
本当に、お疲れ様でした! うずしおのためにお時間割いていただき、感謝感謝!!
 
今現在、顔筋が筋肉痛でござる。どんだけニヤニヤしてたんだ自分^p^
今日は、いい夢見れる予感!!!


幸せひとつぶ

日常の雑記 - 日記

あやさんからアクキーいただいたー!
可愛いよー! 可愛いよー!
スマホケースが大所帯になったヾ(*´∇`)ノシ
傷つけないように対策を考えねば…!
刺斬さんの刀折れそうで怖いから対応してから連れて行こう。
 
心の篭ったお手紙に、キューンとくるイラストまで添えていただいて…!
あやさん、本当にありがとうございますッ!!
 
 
あやさんにお礼として描いた絵の線画。
届いたご報告の時に送ろうと思ってたから大急ぎで頑張ったZE!
カレー描くのは4回目、アーツは初描きだった。
気合入れて自分のイメージ通りに描けたのだけど、あやさんのイメージとはまた違うだろうから、どうだろなコレー…と思ってたけれど、喜んでいただけたようで何より!
誰かに喜んでもらえるって、とても幸せ(*´∇`*)
 
カレーが小学生っぽいのは、うずしおの初書きカレーのイメージが強すぎてだな…(言い訳)


リンゴジュースは100%のやつ

日常の雑記 - 日記

兄貴が弟の好きなもの把握してると最高なんだが。
うずしおの妄想がRampageしちゃうわ。
 
何か、こう…例えば。
刺斬はⅨ籠がリンゴが嫌いって知っていて、だからリンゴジュースも嫌いだろうと思ってるんだけど、実はⅨ籠はリンゴジュースが大好きで、それをアーミィだけが知ってるっていう、そういう具合が兄弟の良さというか。
分かりづらい説明だけど、分かって!!(何)
 
 
ついったーに上げたのは描き忘れあったせいで、ぐああああってなった。
真夜中に描くもんじゃないな。
また夜更かししてるし、本当に懲りてない。
 
あとね、首の筋をね、攣ったようなね、動かすと痛いのね、辛いのね。
湿布貼ってね、鎮痛剤飲んだのね、胃がね、薬のせいで気持ち悪いのね。
ほあああっちゃあああああ!!!!(雄叫び)


再会の距離

アーミィとⅨ籠のお話。
鴉ノ籠のお話の後あたりに位置する内容かもしれない。


 細かな毒砂の風が頬を撫でる。
 崩れたビルが点在するこの誰もいない廃れた街を選んだ理由は特に無いけれど、場所で言えばお互いに有利でも不利でもないとアーミィは考えていた。
 ただ、時間で言えば悪条件なのは自分だけで、その理由は夜だからだった。でも、それでもいいと思っていた。
 暫くの間、アーミィは視界の悪い暗い世界を進み、指定の場所に着いた。
 霞んだ三日月の光の下、公園だった広場にある水の無い円形の噴水の縁に腰をかけている黒い後姿が見える。アーミィは十分に辺りを注意しながら広場に足を踏み入れた。他の者の気配が無いと分かると、少しだけ気が緩んだ。
 アーミィは深く息を吐いた。数年間、ずっと離れていた弟との再会。背の低かった弟は、あの頃と違って背丈も体格も同じくらいになっている。
 1対1で会いたい、こちらの用件が済めば後は自由にしていい。という条件。本当に応じてくれるとは思っていなかった。罠を仕掛けてるだろうと覚悟していたけど、そんな様子も無さそうだった。
 憎まれていることは知っていたし、今更元通りにできないことも知っている。全て、自分のせいであり、そのせいで大切な弟を傷つけた。
「へぇ…。本当にひとりで来たんだな」
 どう声をかけようか迷っていると、先に声をかけられた。
 Ⅸ籠がゆっくりとこちらへ振り返る。同時に、隠す気のない鋭い殺気を向けられる。
 良く知っているはずの弟の、初めて見る顔。軽蔑するような冷たい目線。そういう顔をされることは十分承知していたけれど、いざ目の前にすると心に爪を立てられた気分になって、声をかけようと薄く開いていた唇を噤んだ。
「よほど余裕なのか、ただのバカなのか…。先に言っておくけど、オレを殺せるなんて期待するなよ?」
 一切の温度を感じさせない口調で、Ⅸ籠が言った。こちらへ身体を向けて座り直すと、目を細めて睨みつけてくる。
 こんな言い方をするようになってしまったのかと、アーミィは昔のⅨ籠とはすっかり変わってしまった様子に喉が引き攣るような息苦しさを覚えた。
「そんなつもりで呼んだんじゃないよ。話がしたかっただけ…」
 アーミィは首を振って答えた。
「Ⅸ籠こそ、ひとりで来てくれたんだね」
「お前がそう条件を付けたんだろう?」
「うん。応じてくれて、ありがとう」
「…何それ…気持ち悪い…」
 あからさまに嫌悪の表情を浮かべて、Ⅸ籠が呟いた。そんな顔をされるのが苦痛に感じて、アーミィはⅨ籠から目を反らせた。あんなに懐いていた弟の変り様に指先が震える。目の前の弟は本当に9番目の弟なのか、疑念すら浮かぶほどだった。
「Ⅸ籠…だよね?」
 不安から思わず声に出してしまって、アーミィは下手したとすぐに気付いた。思った通り、Ⅸ籠は表情を険しくする。
「はぁ? 破棄されたと思ってた? ああ、そうだよね、お前と違って”オレたち”は欠陥兵器だからな」
「違うよ。そういう意味で言ったんじゃない。Ⅸ籠は完全な永久少年だよ。僕と同じ」
Ⅸ籠の卑屈な言い返しに、アーミィはすぐさま否定の言葉をかけた。
「…ねぇ、Ⅸ籠。”オレたち”って、どういうこと?」
 もしかして、10人目が存在するのか。でもその可能性は有り得ない。10人目を造らせないために、逃亡したのだから。可能性としては、処分したと聞かされた8番目までが本当は処分されていなくて、Ⅸ籠がその存在を知ったとしか思えない。
「お前と無駄話するつもりは無い」
 触れられたくないことだったのか、Ⅸ籠が低く強い口調で言った。
「で? 用件は何?」
 と、吐き捨てるように言いながら、Ⅸ籠が立ち上がって近づいてきた。暗闇に透ける様な、黒い姿。凍てつくような視線。
 たった5メートルほどの間合い。その先にいる弟が、とても遠くに思えた。
「ごめんね、Ⅸ籠」
 アーミィは、真剣な眼差しを向けて、ゆっくりとしたひと言を口にした。
 ずっと言いたくても言えなかったことを、やっと言えた。この言葉を、今まで何度心の中で叫んだ事か。
 Ⅸ籠は驚いたように目を見開いた後、すぐに顔を歪めた。
「はぁ? どういうつもり?」
 その声色には疑惑も不満も怒りも混じっていた。
「今日、呼んだのは、Ⅸ籠に謝りたかったからなんだ」
「あははっ、何それ? 命乞いのつもり? そういうの、オレには通用しないよ?」
 首を傾げて冷笑するⅨ籠に、アーミィは唇を噛んだ。これも、こうなるであろうとある程度の予想はしていたけれど、実際に目の当たりにしてしまうと、やりきれない気持ちになった。
「Ⅸ籠…。僕のこと、恨んでるよね」
「それはお前が一番分かってるだろう?」
「屋上に行った時のこと、覚えてる? Ⅸ籠が光に弱い目だったなんて、知らなかったんだ。酷いことしたと思ってる」
「……」
「Ⅸ籠の目の事で、大人たちが話し合ってるのを聞いたんだ。新しいクローンを造るって。新しいのができたらⅨ籠を処分するって言うから、僕はクローンを造らせないように逃げた」
「…嘘だ…。そんな話、信じるわけないだろう?」
「Ⅸ籠が信じたくないなら、それでもいい。でも、僕はその事を謝りたくて、今日会いに来たんだよ」
「黙れッ!」
 Ⅸ籠が急に飛び掛かってきて突き倒す。アーミィはⅨ籠の行動をそのまま受け入れた。最初から受身を取るつもりはなかった。
 硬い石畳に背中を強く打って、肺が呼吸するのを拒んで息が詰まった。
 そんなアーミィに、馬乗りになってⅨ籠が見下ろす。その顔は不服そのものだった。
「…どうして抵抗しない?」
「僕の用件は済んだから。あとはⅨ籠の好きにしていいよ。殺したいなら、そうすればいい」
「お前…何言って…。…ふざけるな!! 今まで尻尾すら掴ませなかったクセに!! 何なんだよッ!!」
 大声を出して、Ⅸ籠は手にしたクナイを振り下ろした。右肩に激痛が走って身体が強張った。
「オレのこと、出来が悪い劣化品だって見限ったんだろ!?」
 堪えるような声で、Ⅸ籠が言った。
「え…」
 アーミィは目を大きくした。そんな事、一度も思ったことがない。一体何を言っているのか。
「お前がいない間、オレはずっと、出来が悪い代用品扱いされて…どんなことされて、どんな思いで過ごしたか…。こんな…謝ったくらいで…! 絶対に…許すもんか…!」
 その話にアーミィは息を呑んだ。Ⅸ籠の様子から、想像していたよりも深刻だと感付いた。でも、Ⅸ籠が出来が悪いなんてことは無い。光に弱い目ではあったけれど、それを補うに十分過ぎる絶対的な支配能力を持っていた。それに9番目にしてやっと成功した永久少年なのだから、厳酷な扱いをされるはずがない。Ⅸ籠は何を言われたんだ。何があった。
「僕はⅨ籠を悪く思ったことなんてないよ!」
「嘘つくんじゃねぇッ!!」
 Ⅸ籠が声を荒げて刀を抜いた。
 アーミィは反射的に身構える。けれど、振り上げた刀が振り下ろされることはなかった。
 Ⅸ籠は振り上げた右手を、自分の左手で押さえていた。
 その時に、アーミィは確かに聞いた。Ⅸ籠がとても小さな声で「兄さんを殺さないで」と呟くのを。
 Ⅸ籠は舌打ちをして刀を石畳に突き刺す。威嚇するような鋭い視線を向けたまま、ゆっくりと立ち上がって身を引いた。
「帰れよ…。今日は、見逃してやるから」
 掠れた声で、Ⅸ籠が言った。
 アーミィは血の流れる右肩を押さえながら立ち上がる。Ⅸ籠の不可解な言動も気になったけれど、それを訊くための言葉が思いつかなかった。
 Ⅸ籠の中で、まだ少し、ほんの少しだけでも、まだ気持ちがあるのなら。
「これだけは信じて。僕はⅨ籠を裏切ったんじゃない。国家を裏切ったんだよ」
 と、そう言うと、Ⅸ籠はぴくりと身体を揺らして目を見開いた。そしてすぐに歯を食いしばった。
「うるさいッ!! さっさと消えろ!!」
 そう叫んでⅨ籠がクナイを投げてきた。左腕を掠めて後ろのコンクリート片に刺ささる。
 何もかも拒絶するような目で見据えてくるⅨ籠に、これ以上はどんな言葉をかけても反感を買うだけだと判断したアーミィは、踵を返して歩き始めた。
 後ろから斬りかかってくるなら、それでもいいと思った。
 しかし、数メートルほど歩いたところで、背中に刺さったのは刀の切っ先ではなく、嗚咽を殺して泣く声。
 それはずっと昔に聞いていた弟の泣き声と、全く同じだった。
「Ⅸ籠…!」
 耐えられなくなって振り返る。
 けれど、そこに弟の姿は無かった。
 
 遠くの空が明るんできた広場に、苦い毒砂の風が通り過ぎていった。
 
 
 
 
 
終わる


思うことも

日常の雑記 - 日記

うちの子、サージェイドには角と獣のような耳が生えている。
人語は理解している。一応、人語も喋れる。
いくらでも姿変えられる、不定形で不確定な、流体生命。
・・・そんな理想存在。
うずしおの都合のいい存在とも言う。
 
 

Ⅸ籠が可愛いのはもう痛いほどよく分かってるんだけど、痛いのはうずしお本人なんだよな。知ってる。
 
 
いつだって祈ってる。
今日の自分は曖昧で。
昨日の自分が嘘をつきませんように。
明日の自分が裏切りませんように。
 
…祈るだけではダメなんですけどね。
でも、人間って、そういう生き物だし。
 
 
そろそろ絵を描かないと忘れるので、シャーペンでガリガリと。
ペンタブ使ってデジタルで描くのとはまた感覚が違うので、それはそれで楽しいのだけど、ペン入れて色塗るまではできないんだよな。
うずしおは、絶望的にペン入れが下手なのである。
 
 
もう7月も終りか。 今年の7月は、記録的な豪雨や異常な猛暑、変な軌道を見せてくれた台風12号ジョンダリといった、今までに無いことばかりだったな。
世界の未来を憂いても、明日の朝ごはん考えるほうが大変なんだよな。
精一杯のうずしおには、それが現実。


いい子

鎖とⅨ籠のお話。


 そもそも、Ⅸ籠の顔なんて、下っ端の連中がはっきりと覚えているはずもなかった。遠巻きに見るのが殆どだったし、Ⅸ籠に近づくと殺されるという悪い噂もあったから、無闇に寄ってくるような物好きもいない。
 単純に、黒いヘルメットに黒いマントの子供という認識でしかなかったから、その2つが無い状態ではⅨ籠だと気付きにくく、ただの子供にしか見えないのは仕方のないことだった。
 至極簡単な理由で、Ⅸ籠だと分かるその2つを、Ⅸ籠が部屋に忘れてきただけだった。
「あんなに慌てて逃げなくてもいいのに。気に入らなかったら殺すけど、痛いのなんて一瞬だし」
 今日はⅨ籠の機嫌が良いようだった。良いといっても、悪い方向にだが。
 鎖は、一緒にいる子供がⅨ籠だと知って血相変えて廊下を走り去っていった隊員を半眼で見送る。廊下を歩いていた隊員が、軽装のⅨ籠を見るなり立ち止まって首を傾げた。それを真似るようにⅨ籠も首を傾げたのだが、隊員はⅨ籠だと知るや否や来た廊下を走り戻って行ったのだった。
 無理も無い。事情を知らなければ、誰が見てもそこら辺にいるような子供の姿。ただ、その眼光の鋭さは、ある程度の者ならすぐに察しがつくであろうものだった。
「ねぇ? 鎖もそう思うだろ?」
 屈託の無い顔で見上げてくるⅨ籠。
「俺には分からねえな」
 鎖は素直に自分の気持ちを言葉にした。Ⅸ籠の考え方は、共感し難いものが多いし、意味不明なこともある。
 死に対して恐怖を感じるのは生き物として当然の事。Ⅸ籠は相手が誰だろうと殺すことに何の迷いも無いのだから、逃げ出したいと思うのは当然だった。
「痛え、痛くねえの問題じゃねえんだよ。気分で殺すなんて考えるなよ? お前だって、死にたくねえだろ?」
 そう言うと、Ⅸ籠は廊下を進みながら不思議そうな表情を浮かべて見上げてきた。
「オレが死んでも代わりはいるって言ってたよ? だから、平気だって」
「は?」
 鎖はⅨ籠の言っている意味がすぐに理解できずに口を開けた。Ⅸ籠の代わりがいるなんて、鎖は初耳だった。大方、上の連中がⅨ籠を煽るために嘘を言ったということだろう。言われた本人は煽られたとは微塵も思ってないだろうし、そのままの意味で受け取ったに違いない。
「あ、でも、永久少年のクローンって造るの大変なんだって。そう言ってたんだ」
「…おい」
「大丈夫だよ。オレ、人間だから薬も飲んでるし、兵器だからメンテナンスしてもらってる。殺されるまではずっと戦えるから。もし死んでも、鎖や刺斬にはオレの代わりがいるから、だから心配しなくていい」
 気懸りなことでもあるのか、訴えるように話すⅨ籠に、鎖はやや気負けした。Ⅸ籠が何かに固執している様子は前々から感じていたが、それが何なのかまでは、鎖には分からなかった。
「そうじゃねえっての…」
 Ⅸ籠の少し後ろを歩きながら、鎖は溜め息交じりに言った。Ⅸ籠と上手く話ができる自信が無い。刺斬は何であんなに話を正確にⅨ籠へ伝えられるのか。
 鎖の晴れない様子に、Ⅸ籠も顔を曇らせた。
「あー、なんつーか…その…」
 鎖は何とか話を好転させようと続けたが、その先が思いつかずに言葉がつかえた。Ⅸ籠は鎖の言葉の続きを待って、真剣な眼差しで顔を向けながら前を歩いていた。
 その時。
 廊下の交差点の左側から、数名の隊員が足早に歩いて現れた。その中のひとりに、Ⅸ籠が身体を掠めた。隊員たちはすぐさまⅨ籠を取り囲む。
「ここは子供が来る所じゃない。早く帰れ!」
 そう言って、隊員のひとりが片手を振り上げる。
 鎖はⅨ籠を殴ろうとして手を挙げた隊員の腕を止めようとしたが、それよりも速く、Ⅸ籠が隊員の顔を片手で掴んで廊下の壁に叩き付けた。
「やめろ!」
 咄嗟に叫んで、鎖はそのまま頭を潰そうとするⅨ籠の腕を掴み上げ隊員から離した。突然のことに状況が飲み込めない隊員たちは立ち竦んでいる。
「よく見ろ、こいつはクロウだ。お前ら、後で説教だからな! 早く行け!」
 逃げるように促すと、隊員たちは全力で走り去っていった。
 鎖は追いかけようと暴れるⅨ籠を何とか壁に押さえつけたが、殺気を帯びた目で睨まれて腕に爪を立てられた。本気のⅨ籠なら一撃目で隊員の頭を潰していただろうし、こんなに簡単に捕まるはずがない。それを思えば、多少なりとも理性は残っていたらしい。
「隊員に手ぇ出すなって言われてるだろ!」
「オレのこと、攻撃しようとした。あいつ敵だ。殺さなきゃ…」
「攻撃じゃねえ! お前のこと心配して、ちょっと小突きたかったんだよ」
「どうしてオレのこと心配するんだ?」
「あいつらは、お前がクロウだと気付かなかったんだよ。普通の子供がここにいたら危ねえだろ。だから注意したんだ」
「……」
 Ⅸ籠は腑に落ちない顔のまま、ゆっくりと力を抜く。それに合わせて、鎖もⅨ籠から手を離した。
「鎖は、すぐ怒る…」
 Ⅸ籠が目を伏せて、小さく呟いた。さっきまでの鋭い凄味は何だったのかと思うくらいの変り様だった。
「怒ってねえよ。お前が知らねえこと教えてんだ」
 しょぼくれたⅨ籠にちょっと同情しつつ、鎖はなるべく穏やかな口調で言った。するとⅨ籠は表情を急に変えた。
「本当に? 怒ってないんだ?」
 Ⅸ籠が目を見開いて心底驚いたような顔をする。
「お、おう…」
 鎖はたじろいだ。まさか、怒られていると思っていたんだろうか。確かに口調が荒いのは自覚しているが、怒っていたわけではない。
「そうか。鎖、怒ってなかったんだ…」
 Ⅸ籠は嬉しそうに独り言をいって、クスクス笑った。
 鎖は、いまいちⅨ籠が何を考えているのかわからないまま、とりあえずは機嫌がよくなったことに安心した。
 そして気が付いた。Ⅸ籠は自分が知っていること、言われたことの中で「いいこと」だけを選んで行動しているのではないだろうか。その知識量があまりに少なく偏ってるせいで、周りには理解しがたい言動になっているのかもしれない。
「お前が知らねえ悪いことやったら注意するからな。んで、お前が知ってて悪いことしたら怒るからな」
「悪いことしないよ。オレ、いい子にしてるし」
 鎖の言葉に、Ⅸ籠は全く悪びれる様子も無く言い返した。
 その自信がどこからくるのか理解に苦しむが、鎖は思い当たった予想がほぼ間違っていなさそうだと確信した。Ⅸ籠の機嫌を損ねるのもよくないと思い、「これからも、いい子でいろよ」と半ば祈るように小さい声で返した。
 
 
 
 
 
終わる