地元は初雪
ウゼぇ…。
仕事場の男に、好意を持たれてしまったか…。マジウゼぇ…。気安く告白すんな。
一方的に、距離を詰めて来るヤツは大嫌い。ただの邪魔者にしかならん。
あ~、せっかく良い仕事場を見つけたのに、居辛くなったなぁ…。
うずしおの事なんか、放っておいてくれよ。これだから男はイヤなんだよなぁ。
もう、追い掛ける恋も、追い掛けられる恋も拒絶対象にしかならん。嫌悪以外の何物でもねぇよ…。
うずしおの、見た目にダマされる男は、本当にただの愚か者しかいないな。精神的に邪魔だ。
なんつーか、もう! いきなり距離を詰め過ぎなんだよ! 本気で厭。キモチワルイ。
デートに誘おうなんざ、3年早いんだよ。人間嫌いなんだよ。特に気安い人間は。
うずしおと、今すぐ付き合いたかったら、神にでもなって出直しなっつの。
くそ…。こんなに精神掻き乱されるとはな…。絵描けないじゃんか…。
どこか遠くに行きたいなぁ。誰も居ない所がいいなぁ。精神が安定する場所がいいなぁ…。いっそ、何も無い空間でもいいや。独りっきりで精神高めていたい。
人に好意を持たれるって、良い事だとは思うのですよ。どんなカタチであれ。
ただね、うずしおの場合は、異常に心の壁が厚いのと、その人が傷つくのが厭なのですよ。
冷たい態度で人を傷つけるのも心苦しいのですけど、一方的に距離を詰められる息苦しさには、どうも堪え難いモノがありまして。本能的に危機感を感じて、嫌悪になってしまうのですね。
こんな薄情な私に気付いたら、その人は傷付くでしょうね。我侭だけれど、そうなってしまうのも私は厭なのです。
愛想笑いは上手いですよ、残酷なくらいに。人を傷つけず、自分も苦しく無い笑い方。
・・・とりあえず、『少年A』と『traces』でも聞いて落ち着くか。
これ以上乱されなければ、1~3日で心の盾は完成する。
弱いからこそ完全防備でなければ生きていけん。
A様、トレ様、そっちの件は、お願いします…。