悪夢
自分が多重人格になった夢を見た。
自分の意思とは別の何かが、獣のように唸り叫ぶ。まるで自分ではない、別人の声で。
不思議な感覚だった。
随分と凶暴な人格だったようだが、白い仮面を付けたら、大人しくなった。
私に戻った。
人間は仮面を被って生きていると、そう再確認させるような、暗示にも似た感覚だった。
真夜中に目が覚めてしまうような夢を見たのは、何年ぶりだろうか。
ほのかな恐怖と、気だるい眠気で、真っ暗な部屋の中ゆっくりと時間が過ぎた。
もし、自分を7つの大罪で例えるなら、全部持ってる。どれか1つなんて選べない。欲張りでもある。
でも、今の状態を強いて言うなら「嫉妬」かな。
諦めて「怠惰」になれば楽なのに、「傲慢」が許してくれないんだよな。
「嫉妬」から派生する「傲慢」ってのが厄介すぎる。