日常記録やゲームの感想とか、創作や二次創作の絵や妄想を好き勝手に綴っていく、独り言の日記。
 


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言葉で綴る世界

日常の雑記 - 日記

あやさんのお話面白いなぁ(*´ω`*)
恋にドキドキしてしまう。BBAには青春が眩しいぜ。
烈くんは、サラちゃんのセコムかwww
読める人を限定にしてしまうのは勿体ないなぁと思ってしまう。
…軽率な思考だな。自分の作品をどうするかは本人が決めることだから口出しするのは論外だぞ、うずしお。
 
即興の創作文。サージェイドの超小話2本。


【自由】
 
「私のものになって」
『それがお前の願いか』
 
 少女は大きな家で、たくさんの召使いに囲まれて育った。
 忙しい両親は、いつも家にいなかった。
 学校では一人だった。でも、家に帰れば真っ白なドラゴンがいる。
 どんなお願いも聞いてくれる、青い鬣の美しいドラゴンが。
 少女は豪勢な食事をドラゴンに与え、一緒に暮らしていた。
「空を飛びたいわ。連れて行って」
『意の通りに』
 白いドラゴンに乗って空を飛ぶ。
 雲と同じ目線、遥か下に広がる街並み。最高の気分。
 世界が全部、自分のものになったみたい。
「海が見たいの。海に行くわ」
『意の通りに』
 ドラゴンの背に乗り、どこまでも広い海を進む。
 心地よい潮風。耳に優しく響く波の音。安らぎのひととき。
 世界はこんなに広い。どこにだって行ける。
「私のおばあちゃまは、天国という所にいるんですって。おばあちゃまは、私をとても可愛がってくれていたの。ねえ、天国に連れ行って」
『……』
「どうしたの? 言うことを聞きなさい。あなたは私のものでしょう?」
『…意の通りに』
 
 大きな家で葬儀が執り行われた。たったひとりの部屋で亡くなった少女の死因は自殺とされた。
 召使いたちは、少女がいつも部屋に閉じこもっていたことを両親へ告げる。
 両親はひどく悲しみ、仕事の忙しさで構ってやれなかったことを後悔した。


【共依存】
 
「お願いです! 何でもします! 私の命を捧げます!」
 必死の形相の女。その腕に大事に抱えられた。弱った命の男。
 純白色のドラゴンは、青鬣を揺らして振り返った。
『お前の残りの寿命の半分を、その男の寿命に』
「ありがとうございます!」
 女は大地に額をつける勢いで頭を下げる。残りの寿命の半分を、愛する男と共有し、生きることになった。
 女の愛する男は、薬物依存だった。薬が切れれば女に暴力を振るい、我に返っては別れないでくれと泣きついていた。その薬のせいで体を弱らせ、寿命を縮めていた。
 そんな男であっても、女は心から愛していた。これも一種の依存だったのだろう。
 再び生きる時間を得た男は、以前と変わらぬ生活だった。女は男のために働き、その稼ぎは薬に消えていく。
 ある日、いつもの通り薬の切れた男が暴れていた。男に殴りつけられた女は足元を滑らせ、石柱に頭を打った。
 女はこと切れ、そして女と寿命を共有していた男にも、等しく死が訪れる。
 男と女は、折り重なるように倒れ、冷たくなっていった。
 それが幸せだったのかどうかわからないが、男女の死に顔は安らかだった。