日常記録やゲームの感想とか、創作や二次創作の絵や妄想を好き勝手に綴っていく、独り言の日記。
 


しばらく日記更新お休み


 

うちよそ話

日常の雑記 - 日記

ガァアアアア!!! 頭痛い!! 低気圧滅びろ。
くそ…頭痛が酷いと密かに「特殊能力に目覚める」的な期待してしまう。
中弐病が卒業できない。
 
 
はい、それでは、うちよそ話というか、あやさんの設定お借りしたお話でございます。
昨日の日記のお話から派生した、レンリくんとサラちゃんのお話です。だだだっと書いたので超短文です。
毎度のことながら、あやさん宅の子とは相違がありますので、ご了承ください。


 天使。
 そう、天使だな。
 白くて、綺麗で。まさに、それ。
 死神が天使を好きになって、何が悪い。
 
 
 レンリはルトロヴァイユの扉を開いた。
 今日のサラはバイトではない。学校帰りにここに立ち寄るであろう目測もついていた。
 思った通り、カウンター席にサラの後姿を見つける。
「レンリ、来タ」
 白い化け物が振り返る。
「レンリさん、こんにちは」
 サラも気づいて振り返る。
 レンリはサラの隣に座っているサージェイドを半眼で睨み飛ばしてから、サラへ近づいた。
「サラ。ちょっと付き合え」
 
 賑やかな街。今日も人通りは多かった。
 レンリは脇目も振らずに進んだ。目的は決まっている。それ以外に用はない。
 少し後ろを、制服姿のサラがついてくる。逸る気持ちを堪えて、サラと離れないように歩いた。
 着いたのは、魅卯が見つけた白いワンピースの飾られている店。
 ショーウインドウに飾られているオフショルダーの白いワンピース。スカートはフレアになっていて、その裾は大きなレースに囲まれている。レンリはそれを見て、小さく頷いた。
 店内に入ると、すぐに店員の女性に声をかける。
「あれ、こいつに着せていいか」
「かしこまりました」
 店員はにこやかに応え、慣れた手つきでショーウインドウに飾られている白いワンピースをマネキンから脱がせる。「どうぞ、こちらへ」と、サラを試着室へ促した。
 サラは言われるままに試着室へ入る。数秒ほどして、サラがひょこりとカーテンの奥から顔を出した。
「あ…あの、レンリさん?」
「何だ」
「こんな大人っぽい服、私には…」
「いいから着てみろよ」
 戸惑うサラに、レンリは優しく言った。
 ほんの2分ほどの時間が、とても待ち遠しかった。遠慮がちにカーテンを開いて、白いワンピース姿のサラが現れる。
 レンリは無言になって見入った。透き通るような清らかな白。普段は見ることのない艶やかな肩。はにかんだ表情のサラが動くたびにふわりふわりと揺れるスカートは、爽やかなそよ風を感じさせる。輝かしい魂に、実に相応しい。想像通り。いや、想像以上だ。
 サラが、無言になったレンリに焦りを見せる。
「やっぱり、変だよね!?」
「悪ィ。見惚れてた。スゲー似合ってるぜ」
 そう言ってやると、サラは顔を赤くして唇を噛み、目を逸らした。そんなサラを抱き寄せたい衝動を抑えて、店員の方を向く。
「これにする」
「ええ…っ」
 サラが慌ててレンリと店員を交互に見る。
「買ってやるよ。気に入った」
 レンリはサラに向かって口の端を上げて笑った。
 店員がこのまま着て帰るというのはどうかと提案してきた。「ああ」と答えると、店員はサラの制服を丁寧にたたみ、手提げ袋に入れてくれた。
 レンリは手提げ袋を受け取って、改めてサラを見る。
 何か…。足りない気がする。似合っているはずなのに、この違和感はなんだろうかと悩んでいると、ポンと音を立ててうさぎの霊魂の片割れが現れる。サラに似合うワンピースを見つけてくれた魅卯だった。当然、サラや店員には見えていない。
『アレですっ!』
 魅卯が自信満々に指さしたのは、店内の奥にある靴やサンダルや並べられている壁棚。その中の白い編み上げのヒールサンダルだった。
 レンリは、ふむ…と頷いて、店員に白いヒールサンダルを持ってくるように頼んだ。
 サラにヒールサンダルを渡し、ローファーから履き替えさせる。サラは慣れないヒールに少しふらつきながら、まっすぐに背筋を伸ばした。
 白いワンピースと白いヒールサンダル。同色の調和はとてもよい感じだった。
 それに、いつもより背の高いサラの見上げてくる顔が近い。
「悪くねーな」
 レンリは喜色満面の表情を浮かべた。
 
「ほ、本当にいいんですか!?」
 店を出て隣を歩くサラが、申し訳なさそうな顔をする。
「俺が気に入ったんだ。文句はねーだろ? そんな顔するなよ」
 そう言うと、サラはこちらの意を察したらしく、朗らかな笑顔を見せた。
「ありがとうございます! この服に似合うような素敵な女性になりたいです」
「十分似合ってんだろ」
 レンリは満足して頷いた。
 歩道に並ぶショーウインドウ。そのガラスに映る自分とサラ。死神が天使を連れて歩いているようだった。
「ミウのセンス、なかなかいいな…」
「え?」
「ははっ! 何でもねえ」
 レンリは上機嫌で笑った。
「今度から、俺が誘うときは、それ着て来い」
 
 
 魔女だって恋するんだ。
 死神だって恋してもいいだろ。